中銀の発表によると、2018年8月のインフレ指数を含むブラジルの名目公的債務残高は、社会経済開発銀行(BNDES)による国庫庁への700億レアルの供与金返済にも関わらず、GDP比77.3%に相当する5兆2,200億レアルに達している。
今年8月の名目公的債務残高は、前月のGDP比77.2%から374億レアルの赤字拡大でGDP比77.3%に上昇、特に8月の財政プライマリー収支赤字168億8,000万レアルが大きな要因となっている。
ソブリン格付けで投資適格級を維持していた2013年12月のブラジルの名目公的債務残高は、GDP比51.5%と現在よりも25%以上低率を維持していたが、投資適格級に戻るには、年金・恩給などの構造改革断行による財政プライマリー収支赤字の削減が必須となっている。
また今年8月の名目公的債務残高の上昇要因として、8月の財政プライマリー収支赤字168億8,000万レアル並びにレアル通貨に対するドル高の為替も名目公的債務残高の赤字をさらに悪化させている。
連邦政府の今年の財政プライマリー収支赤字は、1,613億レアルが見込まれているが、8月の社会保障院(INSS)の赤字は、180億2,000万レアルと統計を取り始めた2001年以降の8月の月間記録となっている。
また今年初め8か月間の社会保障院(INSS)の累計赤字は1,233億8,000万レアルに達しており、今年1年間のINSSの赤字は、今年の財政プライマリー収支赤字1613億レアルを上回る可能性が指摘されている。(2018年9月29日付けエスタード紙)