2018年10月3日午前、環境委員会(植田真五委員長)主催のトヨタビジターセンター見学会が開催された。約30名の参加者が早朝サンパウロを出発した。ブラジルトヨタ自動車のダリオ・マサヒコ・ヤナギタ コーポレート・マニュファクチャリング・エンバイロメント部チーフに迎えられ、レクチャールームに進んだ。また、同社の米長浩コーポレート・プランニング・ディレクター、ガバメントアフェアーズ&PR部門の土門翔平氏、チアゴ・スガハラ氏らも同行した。
レクチャールームではヤナギタ氏より主にトヨタ自動車の環境の取り組みについてプレゼンテーションが行われた。ブラジルトヨタ自動車の製造拠点は現在サンベルナルド工場(カローラ及びハイラックスの部品)、ソロカバ工場(エティオス、ヤリス)、インダイアツーバ工場(カローラ)、ポルトフェリス工場(NRエンジン)があり、ビジターセンターがあるサンベルナルド工場はトヨタ自動車では海外初の工場、以前は長年ブラジル人に愛されたバンデイランテを製造していたこともある。
トヨタ自動車の環境活動については2015年10月に「トヨタ環境チャレンジ2050」を公表。温室効果ガスに起因する異常気象、開発による生物多様性の喪失、人口増加にともなう水不足など、深刻化する地球環境の諸問題に対し、これまでも幅広い取り組みを推進してきた。今後もクルマの環境負荷をゼロに近づけるとともに、地球・社会にプラスとなる取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に貢献するためのチャレンジを実施しているという。1.新車CO₂ゼロチャレンジ、2.ライフサイクルCO₂ゼロチャレンジ、3.工場CO₂ゼロチャレンジ、4.水環境インパクト最小化チャレンジ、5.循環型社会・システム構築チャレンジ、6.人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ、と6つのチャレンジからなり、当地でも実践している事例などを挙げ詳しく説明された。また、ブラジルでは「スミレコンゴウインコの保護」、北東の沿岸部に位置する政府指定環境保護地域「APA コスタ・ドス・コライス」の持続的保護プロジェクト、児童向けの絵画コンクール「夢のクルマアートコンテスト」などを実施、地域社会に貢献している。
レクチャーの後、ビジターセンターに移動。昨年8月に開所された同センターは750平方メートルあり、トヨタ自動車の沿革を紹介するバーチャル映像を搭載したタイムライン、カローラ旧モデル、バンデイランテ、新型カローラ、エティオス、レクサスのSUV車の展示他、プリウスの車体を分解した展示や同車のハイブリッドシステムなどが体験できる設備、また環境保全に関する様々なインタラクティブ設備が設置されている。同社のスタッフによる各設備の詳しい説明が行われた後、参加者は自由に各設備を体験した。
最後に、屋外にあるグリーン散歩道を散策、社員が休憩時間に憩いの場として利用していること、道脇に植えられた野菜は社員食堂の食材として使われていることなどが説明された。行程を一通り終えたところで、植田環境委員長より、ブラジルトヨタ自動車のシジネイ・カカズ プラントエンジニアリング&コーポレート・エンバイロメント ゼネラルマネジャーに感謝プレートが渡された。
天候に恵まれ、日本を代表する企業の一つであるトヨタの環境への取り組みをくまなく見学することができた有意義な見学会となった。
工場の模型
風力発電の説明
ビジターセンターにて集合写真
グリーン散歩道
カカズ ゼネラルマネジャー(左)にプレートを渡す植田委員長