コモディティ輸出増加で完成品輸出比率が減少

ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)の貿易指数(Icomex)調査によると、今年初め9カ月間のブラジルの農産物や鉱物などの国際コモディティ商品輸出量は前年同期比4.7%増加、輸出金額は5.9%増加している。

しかし製造業部門の完成品輸出量は僅か2.2%増加、輸出金額も4.4%増加に留まっている。9月の国際コモディティ商品輸出量は前年同月比マイナス7.0%、輸出金額もマイナス1.5%を記録している。

9月の完成品輸出は、輸出全体の35%に留まって1980年以降では最低の輸出比率まで減少、ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)エコノミストのLia Valls氏は、アルゼンチンの金融危機並びにレアル通貨に対するドル高の為替の影響で、完成品輸出の増加は当分望めないと指摘している。

今年初め9カ月間のブラジルの資本財輸出は、プレソルト原油生産向けFPSO(洋上浮体式生産・貯蔵・積出施設)の石油採掘向けプラットフォーム輸出が牽引して17.1%増加しているが、プラットフォーム輸出を除いた資本財輸出は、マイナス5.5%を記録している。

また今年初め9カ月間のブラジルの耐久消費財輸出はマイナス10.9%、非耐久消費財輸出もマイナス7.1%、中間財輸出はマイナス0.1%を記録している。大豆並びに鉄鉱石,原油輸出は輸出全体の31%を占めている。

今年初め9カ月間の農畜産輸出は4.5%増加、鉱業関連輸出も5.0%増加、米中貿易摩擦の影響で中国向け輸出は26.3%、米国向けは11.4%、アルゼンチン向けは6.8%となっている。(2018年10月15日付けヴァロール紙)

 

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=45236