Rota2030のテキスト作成責任者は自動車メーカー向け税制恩典拡大か

10月17日の上院議会でのRota2030に関する暫定令の合同委員会は、テキスト作成責任者であるアルフレッド・カエフェール議員(PP-PR)が欠席、テメル大統領が発表を予定していた11月8日に開催されるサンパウロモーターショーに間に併せるために、今日23日開催の合同委員会で最終案を纏め明日の合同委員会で合意しなければならない。

自動車業界の活性化のため5年間継続した輸入自動車に対して、30%の工業製品税(IPI)を課していた自動車技術革新政策(Inovar Auto)の2017年12月31日で終了している。

これに置き換える新たな政策案Rota2030は、今年1月1日からの実施が予定されていたにも関わらず、財務省や企画省では、年間15億レアルの歳入減少に繋がるRota2030プログラムによる減税政策に反対していたために、テメル大統領は、漸く今年7月5日にInovar Auto 政策に替わるRota2030に関する暫定法に署名したものの、国会での承認が遅れている。

合同委員会で最終案が纏まって、国会でRota2030が承認されれば2019年から今までとは違った中長期の政策で、投資の3サイクル(ステージ)を考慮し15年間継続される。

このように自動車産業が段階的に将来性を見通せることは、ブラジルへ投資をするための必要な検討材料となっている。安全性、エネルギー効率向上、技術開発について、プログラムで規定された目標基準達成の準備をすることができる。それぞれの投資サイクルで、プログラムの見直しが行なわれ、目標基準や規定条件が再検討される。

大統領府経済班のROTA2030プログラムでは、技術革新を進めるP&Dに対する投資クレジットに対して、個人所得税(IRPJ)並びに純益に対する社会納付金(CSLL)のクレジット割引10.2%を提示しているが、今回のテキストでは12.0%への引上げが含まれている。

ハイブリッド車や電気自動車に対する工業製品税(IPI)の税率を25.0%から7.0%~20.0%と大幅引き下げている。ブラジル国内で生産できないハイブリッドカーの輸入税(II)を免除している。

またROTA2030プログラムでは、安全性とエネルギーエフィシエンシーが達成した自動車メーカーに対して、2023年から工業製品税(IPI)が1.0%~2.0%が引下げられる。

しかし自動車メーカー並びに輸入業者に対して、自動車の安全性とエネルギーエフィシエンシーがROTA2030プログラムの規定に達しない場合は、売り上げの2.0%の罰金支払いを余儀なくされる。

ペルナンブーコ州選出のアルマンド・モンテイロ上院議員(PTB-PE)は、北東部地域で自動車生産している自動車メーカーに対する免税延長を要請したために、同地域のメーカー間で軋轢が生じる可能性を指摘している。

北東部地域の自動車メーカーに対する減税政策は、2020年で終了する予定であったにも関わらず、モンテイロ上院議員は、工業製品税(IPI)の減税率変更での2025年までの延長を要請している。

FCA Fiat Chryler社はゴイアス州ゴイアニア工場でJeepブランドの自動車を生産、フォード社はバイア州カマサリ工場で自動車を生産しており、地域間による減税比率を緩和する導入をモンテイロ上院議員は指摘している。

高級車を北東部地域で生産しているFCA Fiat Chryler社は、IPI税の変更で恩恵を受ける一方で、低価格の大衆車を生産しているフォード社は、高級車を生産しているコンペチターが更なる恩恵を受けるために、工業製品税(IPI)変更に反対している。

国庫庁では、2019年の自動車業界に対する税制恩典総額は72億レアルを見込んでいる。そのうちRota2030に関する減税は21億レアル、残り46億レアルの大半は、北部地域並びに北東部地域、中西部地域で自動車並び時自動車パーツを生産している自動車メーカー向けが見込まれている。(2018年10月23日付けエスタード紙)

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