中国の国家電力投資集団公司(SPIC)は、サント・アントニオ水力発電所を傘下に置くMadeira Energia(Mesa)社に対して、先週金曜日に正式な買収案件を提示している。
Madeira Energia(Mesa)社は、オデブレヒト社並びにアンドラーデ・グッチエレ社、ミナス・ジェライス電力公社(CEMIG)で構成されるコンソーシアムが59%、フルナス電力公社(Furnas )が41%の株式を所有している。
国家電力投資集団公司(SPIC)は、Madeira Energia(Mesa)社の59%の株式買収では98億レアルを提示、そのうち35億レアルは買収交渉終了時に支払われる。またSPIC社は、サント・アントニオ水力発電所の100億レアルの負債も引き継ぐと見込まれている。
サント・アントニオ水力発電所は、社会経済開発銀行(BNDES)に対して負債期限を2040年まで引き延ばしを要請している。また今年6月末のサント・アントニオ水力発電所の運転資金は9億9,250万レアルの赤字に陥っていた。
今年6月末のサント・アントニオ水力発電所のEBITDA有利子負債倍率は、13.13倍と電力エネルギー部門の平均EBITDAの2.5倍を遥かに上回る負債を抱え込んでいる。
中国企業は、2009年から電力エネルギー部門を中心にブラジル国内の基幹産業部門に対して、ハイリスク・ハイリターンにも関わらず、積極的に企業買収などで投資を継続している。
2009年以降の中国企業によるブラジル国内への投資は、総額539億6,000万ドルに達している。そのうち投資総額の47%は電力エネルギー部門への投資を記録している。
中国企業による電力エネルギー部門への投資は、ミッシェル・テーメル政権時に顕著に増加、中国企業は不況に直面しているブラジルに大きな商機があると受け止め、主にブラジル国内の基幹産業部門の事業拡大に乗り出している。
新大統領に選出されたボウソナロ候補は、今月9日に「我々はEletrobras公社をどの国に対しても譲渡してよいのか? 貴方はEletrobras公社が中国資本の傘下に入っても容認できるか? 我々ブラジル人にとってEletrobras公社の配電事業分野の民営化は心配ないが、エネルギー発電事業の民営化は非常に危険で断固反対」とバンデイランテスTVのインタビューに答えていた。(2018年10月29日付けヴァロール紙)