今年第3四半期の非正規雇用増加が失業率を押し下げた

ブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、2018年第3四半期の失業率は、労働手帳に記載されない非正規雇用が増加したために11.9%と第2四半期の12.4%から0.5%減少している。

今年第1四半期の失業率は13.1%であったが、予想を下回る景気回復並びに不透明な大統領選挙などの要因で、製造業部門や建設業部門による正規雇用が回復しない替わりに、自営業などの非正規雇用が増加したために、見かけ上の失業率が低下している。

今年第3四半期の雇用は130万人創出されたにも関わらず、そのうち非正規雇用は90万人と大半を占めている。第3四半期の労働人口は前四半期比1.5%増加の9,262万2,000人、失業者総数は依然として1,249万2,000人に達している。

今年第3四半期の民間部門の雇用は4.7%増加に相当する52万2,000人に達しているものの正規雇用は僅か0.4%増加の13万8,000人に留まっている。自営業者は1.9%増加の43万2,000人増加、そのうち全国法人登録台帳(CNPJ)に登録していない自営業者は大半の30万人に達している。

イタウー銀行の調査によると、今年第3四半期の民間部門の正規雇用は前四半期比では僅か0.2%増加に留まった一方で、非正規雇用を含めた雇用総数は1.7%増加している。

2017年11月11日から施行された新労働法で認められている1週間の労働時間が40時間以内のパートタイム労働契約による第3四半期の雇用総数は、前四半期比5.4%増加の686万人に達している。また断続的労働契約による正規雇用も増加傾向を示している。

今年第3四半期の平均サラリーは四半期比0.3では僅か0.3%増加、前年同期比でも僅か0.6%増加、サンタンデール銀行では今年の月間平均失業率は12.0%と昨年の12.7%を下回ると予想している。(2018年10月31日付けヴァロール紙)

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