過激な発言で「ブラジルのトランプ」と呼ばれているジャイール・ボウソナロ次期ブラジル大統領(自由社会党・PSL)に対し、中国が、米国のトランプ大統領のように保護貿易主義をとり、中国との合意を破棄すれば、ブラジル経済は痛手を被ると牽制していると中国で発行されている英字紙チャイナデイリー紙(CD紙)は報じている。
10月28日のブラジル大統領選決選投票で当選したボルソナロ下院議員(63)は1日、選挙公約通り在イスラエルのブラジル大使館を商都テルアビブから、国際社会が首都と認めていないエルサレムに移転すると表明、帰属を争うパレスチナ自治政府や、アラブ諸国などが強く反発するのは必至となっている。
中国に経済的依存を強める左派政権を批判し、台湾との関係を重視すると発表、また「我々はEletrobras公社をどの国に対しても譲渡してよいのか? 貴方はEletrobras公社が中国資本の傘下に入っても容認できるか? 我々ブラジル人にとって川中のEletrobras公社の配電事業分野の民営化は心配ないが、川上のエネルギー発電事業の民営化は非常に危険で断固反対」とボウソナロ候補は、バンデイランテスTVのインタビューに答えている。
第1回中国国際輸入博覧会は、2018年11月5〜10日の6日間に亘って、上海市の国家エキシビションセンターで開催、すでに国内外8万社余りのバイヤー16万人が登録を申請している。
人口が13億人の巨大消費市場を抱える中国は、今後5年間に10兆ドルに達する外国製の製品を輸入すると見込まれており、米中貿易摩擦が拡大して漁夫の利のチャンスを狙って、世界各国から中国市場参入で熾烈な競争が予想されている。
今年上半期のブラジルからアラブ諸国には、牛肉や鶏肉、自動車、自動車部品などを中心に51億ドルを輸出、今年は130億ドルの輸出が見込まれているが、ブラジル大使館をエルサレムに移転すれば、アラブ諸国向け輸出は、壊滅的なダメージを受けると予想されている。
またボウソナロ新大統領は、小さな政府実現のために農務省並びに環境省の統合を発表していたが、環境規制が厳しいヨーロッパ諸国から一斉に非難を浴びている。
今年初め9カ月間のブラジルから中国向け輸出は、大豆や鉄鉱石など第一次産品を中心に472億ドルを記録、また中国からの投資総額は541億ドル、また704億ドルの投資が予定されている。
今年上半期のブラジルからアラブ諸国向け輸出では、サウジアラビア10億1,630万ドルでトップ、アラブ首長国連邦は8億9,390万ドル、エジプト8億6,700万ドル、アルジェリア5億1,030万ドル、オマン3億140万ドル、モロッコ2億5,420万ドル、イラク2億710万ドル、バーレン1億9,700万ドル、チュニジア1億7,530万ドル、レバノン1億1,030万ドル、イエメン1億150万ドル、ヨルダン9,550万ドル、クエート9,460万ドル、カタール9,230万ドル、リビア7,410万ドル、ソマリア3,670万ドル、モーリタニア3,410万ドル、シリア3,070万ドル、ジブチ1,660万ドル、パレスティナ980万ドル、スーダン560万ドル、コモロ諸島は110万ドルとなっている。(2018年11月4日付けエスタード紙)