ジャイール・ボルソナロ次期大統領は、連邦政府の財政悪化の最大の要因となっている社会保障院(INSS)の赤字軽減の早急な対策として、憲法改正に頼らないライトな年金・恩給改革を模索している。
年金改革法案を国会通過させるためには、下院議員512人の2/3に相当する下院議員308人、上院議員49人の賛成票が必要となっているが、憲法改正しない年金修正は過半数で国会での承認が可能となる。
ミッシェル・テーメル大統領が与野党議員や国民の支持を無視してまで、実行を敢行しようとしていた年金・恩給改革は、リオ州の治安確保のための直接統治令発令中は憲法改正が不可能となり、憲法改正案(PEC)である年金・恩給に関する社会保障制度改革は、直接統治令が解除される今年末まで、国会での承認の先送りを余儀なくされている。
今月6日のパウロ・ゲーデス氏の年内の年金改革案の国会での承認義務化発言に対して、多くの野党議員は、ゲーデス氏に対して「慎重な発言」を要請しており、またボウソナロ次期政権の連立与党を形成する(民主党 DEM)のアルベルト・フラガ下院議員は、現在の下院議会では年金改革承認を得るだけの票固めはできていない。ゲーデス氏が国会での承認投票を希望するのであれば、初めに手回しをして確実に票固めをする必要があると発言の甘さを指摘していた。
ボルソナロ次期大統領は、パウロ・ゲーデス氏の軽率な発言に対して、「彼は政治経験が皆無で政治の駆引きを知らないための発言であった」と擁護している。
昨日ボルソナロ次期大統領は、次期リオ州知事のWilson Witzel氏並びにテーメル大統領と会談、年内の年金・恩給に関する社会保障制度改革の国会での承認のために、リオ州の治安確保のための直接統治令発令の中止について話し合っている。
また昨日次期財務相が予想されているパウロ・ゲーデス氏は、社会保障院(INSS)のマルセロ・カエターノ長官と国会での承認を得るための社会保障制度改革案について意見交換している。(2018年11月8日付けエスタード紙)