ペトロブラスは海外資産40億ドルを既に売却

ペトロブラス石油公社は、2000年代から積極的に海外での石油・天然ガス鉱区の権益取得並びに石油製油所や燃料配給網を買収してきたが、ペトロブラスを舞台にした過去最大規模の汚職・資金洗浄の捜査「ラヴァ・ジャット作戦」問題などで、海外資産放出による負債軽減並びに2006年に発見されたプレソルト開発のコア事業への資金集中を余儀なくされている。

同社では2015年以降の海外の自社資産売却は既に46億ドルに達している。最近ではペトロアフリカ社の50%の株式を売却、米国のメキシコ湾でMurphy社とジョイントベンチャーを立ち上げて米国での石油事業を縮小する。

同社はジョイントベンチャー企業の株式に僅か20%の資本参加、2004年当時の1日当たりの石油生産は16万8,000バレルであったが、今では僅か12.0%の2万バレル以下の石油生産となっている。

また同社ではラヴァ・ジャット作戦の捜査対象になっている物件の米国のパサデナ製油所の売却を進めると発表、アルゼンチンや日本でも自社資産の売却を積極的に行って、ブラジル国内のプレソルト開発事業に投資を集中する。

ペトロブラスはパラグアイ国内での石油配給事業から撤廃、南米地域ではアルゼンチンやパラグアイ、チリでの自社資産売却進めている一方で、ウルグアイのガス供給事業、ボリヴィアでの天然ガス生産は継続する。

ルーラ政権時の2000年代は、ペトロブラスをグローバル企業に育成するために、パラグアイ並びにウルグアイ、チリ、ナイジェリア、タンザニア、エクアドル、日本での石油鉱区の権益や石油製油所買収で進出していた。

ボリビアのモラレス大統領は、2006年に同国内で石油やガスの生産などを行っているすべての外国資本の大手企業が、ボリビア政府の管理下で操業する国有化を宣言していた。

またペトロブラス石油公社の元取締役のパウロ・ロベルト・コスタ氏並びにネルソン・セルヴェロ氏は、パサデナ製油所買収時に1,500万ドルの賄賂をAstra Oil社に渡したと告白、買収価格は7億4,100万ドル上乗せされていた経緯があった。

ブラジル・インフラストラクチャーセンター(CBIE)のアドリアノ・ピレス取締役は、ペトロブラスの石油生産は全体の80%、天然ガス生産は僅か20%であるために、海外での天然ガス生産拡大するための可能性を予想している。(2018年11月12日付けヴァロール紙)

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