経済協力開発機構(OECD)の統計を基にジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)がまとめた42カ国の公共投資調査によると、2000年~2017年のブラジルの年間平均公共投資は、GDP比僅か1.92%に留まって平均のGDP比3.51%を大幅に下回っている。
過去18年間のブラジルの年間平均公共投資GDP比1.92%は、辛うじてコスタ・リカのGDP比1.87%を上回っている。僅かな公共投資のためにインフラ整備不足によるブラジルコスト改善が等閑にされている。
過去18年間のブラジルの調査対象の42カ国の年間平均公共投資GDP比3.51%に対して、ロシアはGDP比3.9%と平均を上回っている。トルコはGDP比3.38%、南アフリカはGDP比2.95%と平均を下回ったもののブラジルのGDP比1.92%を大幅に上回っている。
過去18年間のブラジルの年間平均公共投資がGDP比1.92%に留まっている影響で、大都市で頻繁に発生する大洪水、交通停滞、舗装道路や陸橋のメンテナンス不足による予期しない事故発生に繋がっている。
2009年の当時のジウマ・ローセフ官房長官による経済成長加速プログラム(PAC)採用で、インフラ整備向け公共投資が活性化していた2010年の公共投資は、GDP比2.69%に達していた。
しかし大半の連邦政府並びに地方政府(州・市)は、公務員の大幅な増員や年金受給者拡大に伴う社会保障院(INSS)の支出拡大、貧困層向け社会補助プログラムによる支出拡大で、公共投資縮小を余儀なくされていた。
2000年~2017年の調査対象42カ国の年間平均公共投資が最も高いのはエストニアのGDP比5.28%、次いで韓国5.12%、チェコ共和国4.75%、ペルー4.73%、ギリシア4.53%、スエーデン4.29%、ハンガリー並びにスロヴェニア4.15%、ルクセンブルグ4.14%、ノルウエー4.09%とGDP比4.00%を上回っている。
一方公共投資が等閑にされているのは、コスタ・リカのGDP比1.87%、ブラジル1.92%、ドイツは既に公共投資が全土にいきわたっている要因で僅か2.14%、ベルギー2.23%、イスラエル2.27%、メキシコ2.29%、英国2.59%、イタリア2.70%、オーストリア2.90%、南アフリカ2.95%、コロンビア2.96%、スイスは2.99%とそれぞれGDP比3.00%を割っている。(2018年11月28日付けヴァロール紙)