ブラジルのアングラ経済規模は南アフリカのGDP相当

ブラジル競争倫理研究所(ETCO)とジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(FGV-Ibre)の調査によると、ブラジルのアングラ経済は、2014年まで11年間連続で減少傾向を示していたにも関わらず、2015年は経済リセッションの影響並びに失業率上昇に伴って増加傾向に反転している。

2018年のブラジルのアングラ経済規模は、GDPの16.9%に相当して2014年との比較では1.0%上昇、過去4年間のアングラ経済は550億レアル増加しているとジェツリオ・ヴァルガス財団のブラジル経済研究所(FGV-Ibre)エコノミストのオランダ・バルボーザ・フィーリョ氏は指摘している。

今年7月の過去12カ月間のアングラ経済規模は1兆1,700億レアルに達して南アフリカのGDPに相当、依然として高い失業率に伴って非正規雇用の増加や納税拒否による脱税が牽引している。

違法な製品やサービス等が流通する非公式市場の動きだけでなく、税申告を行っている合法的企業でも毎月の製造数をごまかして実際の数よりも少なく報告して、コスト削減を図っている企業も多い。

零細企業に対して簡易で低率の税制体系が適用されるSIMPLES NACIONALを利用している企業や個人零細企業経営者でも、経済リセッションによる販売減少の影響で、過当競争のためコスト削減を余儀なくされているのが現状となっている。

ブラジル地理統計院(IBGE)の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、2015年の労働手帳に記載されない非正規雇用は3,320万人であったが、今年は3,600万人と3年間で280万人増加し多一方で、正規雇用は180万人減少している。

統計を取りだした2003年のブラジルのアングラ経済規模はGDP比21.0%であったが、経済が好調に推移していた2014年は16.1%まで減少、しかし経済リセッション突入で2015年から再び増加傾向を示している。(2018年12月2日付けエスタード紙)

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