昨年ブラジル国民197万人が貧困層に下落

2017年の世界銀行が貧困層と認定している1日の一人当たりの所得が5.5ドル以下のブラジルの貧困層は、前年よりも197万人増加しているとブラジル地理統計院(IBGE)の所得格差調査で判明している。

昨年のブラジルの貧困層197万人増加は、全人口の約1/4に相当する5480万人に達しており、1カ月の一人当たりの平均所得は、406レアル以下での生活を余儀なくされている。

経済リセッションからの回復途上にも拘らず、昨年のブラジルの失業率が増加傾向を示していた影響で、貧困層増加につながったとブラジル地理統計院(IBGE)社会格差担当のアンドレ・シモエス部長は説明している。

2017年のブラジルの失業者総数は1,311万人に達しており、ブラジル人の所得の73.8%がサラリー収入だけのために、失業すればサラリー収入が途絶えるために貧困層入りを余儀なくされる。

昨年のブラジルのサラリーマンの平均所得は前年比0.7%減少の2,039レアル、しかし所得ピラミッドの最下層10%の昨年の所得減少は、18.0%に達して更なる貧困生活に結び付いている。

またブラジル国内の地域格差も拡大しており、昨年のブラジルの貧困層5,480万人の44.8%に相当する2,560万人は、北東部地域に集中している一方で、南部地域の貧困層は、人口の12.8%に相当する380万人に留まっている。

黒人並びに褐色男性の34.1%は貧困層カテゴリーに入っており、ブラジル平均よりも7.6%多い。また世帯主が黒人又は褐色女性で、未婚や14歳以下の子供を抱えている女性の64.4%は貧困層となっている。(2018年12月6日付けエスタード紙)

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