今年の自動車生産はアルゼンチン為替危機で下方修正

全国自動車工業会(Anfavea)の発表によると、2018年11月のトラックやバスを含む新車販売は、アルゼンチンの為替危機の影響で自動車輸出減速に伴って、前年同月比1.6%減少の24万5,100台に留まっている。

2018年のトラックやバスを含む自動車生産は、アルゼンチン向け輸出減少で300万台に達しないと予想されているものの、過去3年間の290万台前後は上回ると全国自動車工業会(Anfavea)では予想している。

今年初め11カ月間のトラックやバスを含む自動車生産は、前年同期比8.8%減少の270万台、今年の国内販売は、前年比13.7%から15.0%増加に上方修正して250万台を突破するとAnfaveaのアントニオ・メガーレ会長は予想している。

今年初め11カ月間の新車販売は前年同期比15.0%増加の233万台を記録、今年12月の新車販売は25万台を上回ると予想、今年の新車販売台数は260万台を上回る可能性がある。

一般消費者の景況感改善並びに新車販売向けクレジット拡大、過去最低水準の3.4%を記録している自動車販売向けクレジット延滞率などの要因で、2019年のトラックやバスを含む自動車販売は、今年を10%~12%上回ると予想されている。

ジャイール・ボウソナロ新政権が来年上半期から年金・恩給改革など財政再建に不可欠な構造改革に着手すればミニ自動車販売ブームの起爆剤になるとブラジルワーゲン社のPablo Di Si社長は指摘している。

今年のワーゲン社の新車販売は前年比39%増加予想、2019年はスポーツ用多目的車(SUV)タイプのT-Cross車の投入で、今年並みの新車販売増加をPablo Di Si社長は見込んでいる。

全国自動車工業会では、今年初めの今年の自動車輸出を80万台と見込んでいたにも関わらず、アルゼンチンの為替危機の影響で65万台以下まで落ち込むと予想している。

昨年まで自動車輸出全体の70%占めていたアルゼンチン向けの今年初め11カ月間の自動車輸出は、前年同期比16%減少の41万2,000台に留まっている。また前記同様に輸出先2位のメキシコ向け自動車輸出は44%減少の4万7,500台と大幅に減少している。

今年初め11カ月間のウルグアイ向け自動車輸出も17%減少、ペルーは11.7%減少した一方で、チリ向けは28.3%増加、コロンビア向け自動車輸出は25%増加している。

来年はアルゼンチン経済回復に伴って下半期からアルゼンチン向け自動車輸出が増加するとAnfaveaのメガーレ会長は楽観的な予想をしている。(2018年12月7日付けエスタード紙)

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