ダイソーブラジル大野恵介社長講演会開催

異業種交流委員会(長野昌幸委員長)主催のダイソーブラジルの大野恵介社長の講演会は、2018年12月10日午後6時から7時半過ぎまで65人が参加して開催、進行役は長野昌幸委員長が務め、大野恵介社長は、「モチベーション経営について」と題して、ブラジルでのビジネスは課題が山積みの中、価格を抑えたまま、事業を拡大し、どのように自分のモーチべーションを維持していくのか常に悩んでいると講演を始めた。

ビジネスには、従業員の生産性、治安対策、税制の複雑さ、輸入やオペレーションコストなど、様々な課題がつきものである。その解決に、経営者一人だけでなく、従業員を味方につけ、彼らのモーチべーションを上げ、一緒に問題を解決していく経営をしていると説明した。ダイソーブラジルのフィロソフィーは、大家族主義で経営するで、このフィロソフィーを従業員と共有し、ベクトルをあわせているとした。実際にどのように従業員とそのフィロソフィーを共有しているかについては、朝礼での挨拶、新店舗オープン前の準備、またエレベーター故障の際の階段運送の一致団結したチームワークの映像を用いて、日々の仕事の解説を行なった。

ダイソーブラジルの従業員の離職率は低く、労働裁判はほぼゼロであると述べ、高い給料を求め一時は出稼ぎで日本に行った日系人が、またダイソーブラジルに戻って働いたケースもあると説明。人は変わっていくので、ブラジルの眼強い農場主と奴隷の関係とその壁をとり除く努力をし続けることが必要とした。万引き問題も、店舗の従業員が自分の城を守る意識で、窃盗集団を警戒することでカモにならない店舗作りをしており、ダイソーのキャッシャーは、他の小売店ではまねできないほど速く、そこは従業員への教育が徹底されていると述べた。マーケティングには、インスタやフェイスブックを活用、超濃厚コミュニケーションにはワッツアップを活用するなど、従業員に受け入れやすいツールも積極的に活用し、大家族主義で経営を行なっている。会場からは人事評価、インフレ率に連動した給料アップの中での長い人の給料のバランスに対する質問などがあり、他の部署への移動を検討したりするが、仕方なく解雇することもあると回答した。また、遠隔地へ展開する際のキーパーソンを見つけるにはどうしたらよいかなどの質問には、簡単ではないが素直な人で成長する人材かを見極めているとした。

大家族主義で経営するというフィロソフィーの下、税務問題については、税務担当の無駄な出費を下げる意識を上げさせることを徹底し、輸入のANVISAやINMETROの規制の壁には、単純にNão daとは言わせず、お客を喜ばせる意識、乙中との関係強化、通関したときの喜びを皆で分かち合う家族意識を植え付け、常に改善をしようと努力をしていくことが重要だと説明した。

また、日本企業とのタイアップの事例として、日清食品、東麒麟、パナソニックとの取組みを紹介した。

最後に、本部にいると雑務が多くて、週末に店舗を回ることにしているが、従業員が自らモチベーションを上げて働いている姿を見ることで、自分の精神状態が保て、自分のモチベーションも上がっていくと話した。講演のあとは恒例の懇親会も開催され、そこでもダイソーの大家族主義経営についての議論は絶えなかった。

Keisuke Ono

Masayuki Nagano

 

Fotos: Rubens Ito / CCIJB

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