2018年の社会経済開発銀行(BNDES)のインフレ指数を差引かない名目クレジット総額は前年比2.2%減少の691億6,000万レアル、GDP比1.0%相当が予想されているが、正式なクレジット総額発表は今月29日が予定されている。
昨年のBNDES銀行のクレジット総額691億6,000万レアルはGDP比1.0%に相当で2017年のGDP比1.2%を下回り、1996年以降では最低のクレジット総額を記録、ピーク時の2010年は2,783億レアルのクレジット総額を記録している。
2018年のBNDES銀行のクレジット総額のGDP比1.0%は過去20年間の平均クレジット総額のGDP比2.3%の半分以下であり、公共事業などの大型プロジェクト向けクレジットを牽引してきた社会経済開発銀行では、2014年に突入した経済リセッションの影響、クレジット戦略の方向転換並びに昨年初めに社会経済開発銀行が長年に亘って利用していた長期貸出金利(TJLP)から金利計算が異なる新たな長期金利(TLP)採用が大きく影響している。
世界金融危機後の2009年から社会経済開発銀行(BNDES)は、国内経済活性化のために低金利の大企業向けの運転資金クレジットを大幅に拡大、ペトロブラス石油公社や食品加工大手JBS社を世界的なメジャー企業への育成、また国内インフラ整備のための大型プロジェクト向けクレジットが拡大していた2010年のBNDES銀行のクレジット総額は2,783億レアルに達していた。
ミッシェル・テーメル政権ですでに合意に達している2019年度の社会経済開発銀行(BNDES)から国庫庁への貸付供与金の返済は260億レアルとなっているが、ジャイール・ボウソナロ新大統領から絶対的な信用を得ているパウロ・ゲーデス財務相は、連邦政府の対内債務残高の早急な軽減のために、来年の国庫庁への貸付供与金の返済金額を266億レアルから1,000億レアルの引上げを要求する可能性がある。
社会経済開発銀行のカルロス・タデウ・デ・フレイタス ファイナンシャルディレクターは、昨年11月に2019年の国庫庁への貸付供与金の返済金額266億レアルプラス400億レアル~500億レアル返済の可能性を示唆していた。
ジャイール・ボウソナロ政権での社会経済開発銀行(BNDES)の総裁には、2015年から国庫庁への返済開始を決定したジョアキン・レヴィ元財務相が就任、今週から返済計画の見直しが予定されている。
社会経済開発銀行(BNDES)は2015年~2018年にかけて国庫庁に3,090億レアルの供与金を返済、2017年だけで1300億レアル返済、しかし未だに2,700億レアルの供与金返済を行わなければならない。(2019年1月5日付けエスタード紙)