ボルソナロ新政権は上下水道完備プロジェクトに250億レアル投資

大衆迎合的な姿勢と過激な発言で「ブラジルのトランプ」と呼ばれる右派のジャイル・ボルソナロ下院議員が、今年1月1日に新大統領に就任して半月が過ぎた。

メディアから好意的な支持が得られる新大統領就任から100日以内に相次いで年金改革、市場開放や国営企業の民営化など構造改革、刑法強化や国民の銃所有、元軍人の閣僚登用などによる治安回復政策の発表が予想されている。

またボルソナロ新政権では、2035年までにブラジル全土の上下水道整備向け114プロジェクトに対して総額250億レアルに達する投資を予定、特に旱魃の影響を受けている北東部地域向けには、66プロジェクトに170億レアルの投資を見込んでいる。

北東部地方では2013年から6年間にわたる干ばつが続く中、セアラー州政府が市民への水供給を目的とした海水の淡水化を計画、州都フォルタレーザの沿岸地域に海水の塩分を除去する装置を設置して、2020年までに一部市民への水供給を補完する計画で、毎秒1,000リットルの海水を淡水化する計画となっている。

ブラジル国内では唯一ペルナンブーコ州のフェルナンド・デ・ノローニャ島では、観光客を除く5,000人の定住者の80%に淡水化された水が供給、今年中に72m3への増産が予定されている。

世界でも類をみない発展を遂げているイスラエルの淡水化技術や水再生技術、またオーストラリアの淡水化技術導入を地域開発省のグスタヴォ・カヌート相は検討している。

環境省の淡水化プログラムの一環として、旱魃時に深井戸から汲み上げた汽水(半塩水)を淡水化し、沿岸地域の半乾燥地帯の500以上の市町村に飲料水を供給している。

ブラジル東北部地域のカアチンガと呼ばれる半乾燥地帯(セルトン)のサンフランシスコ河の水を利用した大規模灌漑プロジェクトは、ペルナンブーコ州並びにパライバ州、セアラー州、北大河州に迂回水路整備で水を供給しているが、地域開発省のグスタヴォ・カヌート相は、生産コストやメンテナンス費用の分割方法で、4州の知事と会合を予定している。(2019年1月15日付けヴァロール紙)

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