実業界から昨年10月の地方統一選挙を前に、最も早くジャイール・ボルソナロ大統領候補の支持を表明した 大手レンタルカー会社Localiza社 会長の Salim Matter氏は、ボルソナロ新政権で民営化長官に就任している。
Salim Matter民営化長官は、ペトロブラス石油公社並びにブラジル銀行、連邦貯蓄金庫以外の公社は全て民営化の対象であり、ペトロブラス石油公社のグループ公社も民営化の対象と強調している。
またSalim Matter民営化長官は、社会経済開発銀行(BNDES)の投資管理会社であるBNDES出資会社(BNDESPar)の民営化優先や郵便公社は非効率の典型で腐敗汚職の温床と指摘しており、優先的に民営化される可能性が高い。
世界経済フォーラム(ダボス会議)に出席したジャイール・ボルソナロ大統領に同行したパウロ・ゲーデス財務相は、公社民営化で200億ドルの資金調達を発表していたが、Salim Matter民営化長官は、ゲーデス財務相の予想の公社民営化での200億ドルを25%~50%上回る民営化実施を試みると予想されている。
またSalim Matter民営化長官は、石油・天然ガス部門の民営化ではペトロブラス公社は経営効率や生産性がメジャーと比較して低いと指摘、グループ企業の民営化促進を余儀なくされる。
ラテンアメリカ最大級の電力エネルギー会社であるブラジル中央電力公社(Eletrobras)は、財政再建政策の一環として負債軽減やコストカットなどで早急な構造改革に迫られており、Salim Matter民営化長官は、初めにEletrobras公社傘下の水力発電所や電力エネルギー配電会社などの持株放出を示唆している。
ペトロブラス石油公社のロベルト・カステロ・ブランコ総裁は、初めにBR DISTRIBUIDORA社の民営化、石油化学部門では共同経営しているブラスケン社の持ち株放出を示唆している。
連邦政府では134公社の民営化が可能であり、ミッシェル・テーメル大統領は20の連邦公社を民営化したが、ルーラ大統領並びにジウマ大統領の労働者党(PT)政権時には新たに48公社を新規設立していた。
連邦政府は赤字財政から抜け出せない18連邦公社を抱えており、年間赤字額は150億レアルに達している。赤字公社として国庫庁の助成金の依存率が異常に高く、尚且つ従事する公務員給与を支給する収入のないブラジル鉄道施術建設公社(VALEC)、ブラジル農牧研究公社(EMBRAPA)、サンフランシスコ河流域開発公社(CODEVASF)などが存在するとSalim Matter民営化長官は指摘している。(2019年1月30日付けエスタード紙)