昨年の自動車メーカーは本社から150億ドル借用

2018年のブラジル進出している自動車メーカーは、アルゼンチン向け自動車輸出減少や低調な国内販売で黒字計上に四苦八苦しており、大半の自動車メーカーは経済リセッション後の2015年から赤字を計上している。

2018年の自動車メーカー各社は、本社から総額150億ドル(540億レアル相当)に達する資金援助を受けて、赤字計上にも関わらず、ブラジル国内での操業を辛うじて続けている。

ブラジルGM社はブラジル国内でトップシェアを占めているにも関わらず、ブラジル並びに南米支店では赤字を計上、今年1月下旬にGM本社のMary Barra社長は、赤字体質の支店に投資継続は意味がないために、短期間のうちでの黒字計上のためのコストカットができないならブラジルからの撤退も仄めかしている。

2010年の自動車メーカーの新車販売は350万台、本社への利益送金は57億ドル(205億レアル相当)を計上、経済リセッション開始前の2014年までは毎年20億ドルを送金していた。

2018年の自動車メーカーの本国送金は5億1,600万ドルと過去3年間の送金額を上回った。一方昨年の本社からのブラジル支社への資金送金は99億8,000万ドル、また製造部門向け直接投資は45億ドルに達している。

外資系企業本社は2億人の巨大なマーケットを擁するブラジルで営業活動を続けるためには、赤字でも送金を継続しなければならないと南米フォード社のロジェリオ・ゴールドファルブ副社長は説明している。

昨年のGM社は10億レアルの赤字を計上して3年連続で赤字を計上、GM社は従業員並びにサプライヤー、ディーラーなどとコスト削減で話し合いを続けており、コスト削減で合意すれば2024年までに100億レアルの投資を約束している。

GM社は世界的な経営戦略の見直しを行っており、米国並びにカナダの5カ所の自動車工場を閉鎖、南アフリカ並びにオーストラリア、ロシア、ヴェネズエラでの操業を停止している。

ブラジルの自動車業界の製造業部門のGDP比率は22.0%、ブラジルのトータルGDPの4.0%を占めている。昨年の自動車生産は288万台と自動車生産能力500万台の60%に達していない。

ブラジル進出の自動車メーカーは26社でブラジル国内に67工場を擁している。自動車部品メーカーは582社、自動車ディーラーは5,226店舗、自動車メーカーの雇用は13万5,000人、自動車パーツメーカーの雇用は17万4,500人、ディーラーの雇用は30万5,000人、昨年の自動車業界の輸出総額は204億ドル、輸入総額は238億ドル、ブラジル国内マーケットは世界8位、自動車生産は世界9位となっている。(2019年2月10日付けエスタード紙)

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