産業開発研究所(Iedi)の調査によると、2018年の製造業部門の生産伸び率は、40%のセクターで前年比マイナス1.0%以上を記録、予想を大幅に上回る経済回復が遅れている。
産業開発研究所(Iedi)の製造業部門93セクター対象の生産伸び率調査によると、全体の40%に相当する37セクターで前年比マイナス1.0%以上を記録、14セクターでは大幅なマイナスを記録している。
しかし輸出産業関連の製造業部門の紙・パルプセクター並びに食肉、トラック・バス、トラクター、農業機械セクターは、前年比を上回る生産回復基調になっている。
2015年~2016年の繊維セクター生産は壊滅的な打撃を蒙っていたが、2017年は漸くプラスに転じた。しかし2018年の当初予想は3.0%増加を予想していたにも関わらず、昨年5月のトラック運転手ストライキの影響や不透明な大統領選挙予想などが繊維セクターの企業経営者の投資意欲を削いでしまったとブラジル繊維工業会(Abit)のフェルナンド・ピメンテル会長は指摘している。
昨年上半期の製造業部門の生産伸び率は前年同期比2.3%増加したにも拘らず、5月下旬から11日間継続したトラック運転手による国道封鎖ストライキ、10月の不透明な大統領選挙やアルゼンチンの金融危機、米中貿易戦争などの外的要因も加わって、下半期は僅か0.1%増加、昨年通年では1.1%増加に留まった。
今年の製造業部門の生産伸び率予想は、ジャイール・ボルソナロ新政権やパウロ・ゲーデス財務相の経済活性化政策への期待、年金改革をはじめとした構造改革実施次第で、下半期からの伸び率が期待できる。
昨年の製造業部門生産比較では、音響関係セクター生産は前年比マイナス21.9%、フルーツ・蔬菜加工セクターはマイナス21.3%、照明器具セクターはマイナス18.8%、玩具・ゲーム機器セクターはマイナス12.3%、手芸・編み物関連セクターはマイナス11.8%であった。(2019年2月12日付けエスタード紙)