ブラジル国内の製紙・パルプ業界の再編が加速

1970年代に操業されたパラナ州に本社を置くテッシュメーカーのSEPAC社は、身売りをしていると業界で噂が立っており、ITAU BBA社がM&A交渉の仲介を行っている。

2017年の売上が8億レアルのSEPAC社は、年間16万4,000トンのテッシュ類を生産、またパラナ州南部のMALLET市に使い捨ての紙オムツ工場を建設、主に南部地域をターゲットに販売している。

身売り中のテッシュメーカーSEPAC社には、米国資本Kimberly-Clark社並びに中国資本 CMPC社の他にもインドネシア資本Asia Pulp and Paler(APP)社が名乗りを上げている。

今年1月にFeffer一族が所有するブラジル製紙業界2位のSuzano Papel社は、業界トップのFibria社を278億レアルの株式交換で吸収合併に成功、時価総額で世界最大の短繊維パルプメーカーが誕生した。

新Suzano Papel社は、パルプの年間生産が1,100万トン、製紙生産は140万トンの生産能力を擁して、世界最大のパルプ・製紙会社が誕生してブラジル国内の業界再編が進んでいる。

2018年3月に、インドネシアのWadjaja一族がコントロールする製紙会社ペーパー・エクセレンス社は、昨年9月にブラジルの食肉加工会社JBSグループ傘下の製紙会社エルドラド・ブラジル・セルロースを150億レアル(48億ドル)で買収して、南米進出に橋頭堡を築いていた。

Asia Pacific Resources International Holdngs(April)は、ブラジル国内の製紙・パルプメーカーの再編が進んで大型買収案件がなくなって中規模メーカーへの触手を余儀なくされており、サンパウロ州に本社を置くパルプメーカーLwarcel社を買収している。

またHabitasulグループでは、昨年から段ボール箱生産Irani製紙の買収を試みており、製紙・パルプ業界では、大企業の再編以外にも中小企業のM&Aが活性化して業界全体の再編が進んでいる。(2019円2月13日付けエスタード紙)

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=45324