今年のクレジット部門は民間銀行が牽引か

2018年の民間銀行のイタウー銀行並びにブラデスコ銀行、サンタンデール銀行、公立銀行のブラジル銀行のクレジット残高は前年比5.97%増加の2兆2,530億レアル、ブラジル銀行を除いた3民間銀行のクレジット残高は前年比7.94%増加を記録して、昨年のクレジット部門伸び率を牽引していた。

ブラジル銀行並びに連邦貯蓄金庫などの公立銀行は、ジウマ政権時代に国内経済活性化のために一般消費者向けに低金利のクレジット部門の拡大を要請されていた経緯があった。

また労働党政権時代に社会経済開発銀行(BNDES)は、食品業界などの有望企業に積極的に資本参加、企業の体質改善や海外進出を後押しして、ブラジル企業の世界的企業育成のためにクレジットを拡大していた経緯があった。

しかしミッシェル・テーメル政権誕生時から一転して公立銀行のクレジット部門は縮小を余儀なくされ、2015年の公立銀行のクレジット部門のマーケットシェアは55.8%であったが、昨年12月には51.0%まで縮小している。

2018年の4大銀行の純益は前年比12.77%増加の732億レアルを記録、イタウー銀行の純益は24.88%増加の257億3,000万レアル、ブラデスコ銀行は19.02%増加の215億6,000万レアル、サンタンデール銀行は、前年の99億5,000万レアルから124億レアルと二桁増加を記録している。

昨年のブラジル銀行の純益は積極的なコストカットが功を奏して、前年比22.2%増加の135億1,300万レアル、今年のブラジル銀行の純益は145億レアル~175億レアルを見込んでいる。

また2018年の4大銀行のクレジット総額は、前年の2兆1,256億8,000万レアルから2兆2,526億1,000万レアルと約1,300億レアル増加、今年のクレジット部門は民間銀行が牽引して二桁台の増加が予想されている。

2018年のブラジル銀行のクレジット残高は、前年比僅か1.8%増加の6,973億レアルに留まったもののトップシェアを確保、今年のクレジットは前年比3.0%~6.0%増加を予想している。

前記同様にイタウー銀行の昨年のクレジット残高は、前年の6,000億レアルから6,369億3,000万レアルに増加、今年は8.0%~11.0%増加を予想、ブラデスコ銀行は、4,929億3,000万レアルから5,316億2,000万レアルと400億レアル増加、今年は9.0%~13.0%増加を予想、サンタンデール銀行は、3,479億1,000万レアルから3,867億4,000万レアルに増加している。

昨年の民間銀行のクレジット部門は個人向けクレジット並びに中小企業向けクレジット部門が牽引したが、今年は年金改革が国会で承認されれば外資系企業のインフラ部門向け投資拡大に伴って、大企業向けクレジット拡大が予想されている。(2019年2月15日付けヴァロール紙)

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=45627