昨日19日米国資本フォード社は、トラック並びにコンパクトカーFIESTA車を生産しているサンパウロ州サン・ベルナルド・ド・カンポ工場閉鎖を発表、この自動車工場は1967年にWillys Overland do Brasil社を買収して、フォード社が50年間に亘って生産していた。
今年1月に米国デトロイトで開催されていた北米国際オートショーで、フォルクスワーゲン社とフォード社は、「広範囲にわたる国際的な業務提携」の合意に達したことを正式に発表。初めに商用バンとピックアップ・トラックを共同で開発・生産、さらに電気自動車や自動運転、モビリティサービスの分野でも提携の可能性を示唆している。
フォード社の南米地域の事業では2013年~2018年にかけて45億ドルの赤字を計上、特にブラジルの南米市場の売上は60%を占めていたにも関わらず、ブラジルの経済リセッションも追い打ちをかけて赤字体質からの脱出ができなかった。
フォード社のサン・ベルナルド・ド・カンポ工場を擁するABC地区の金属労連のワグネル・サンターナ会長は、昨日同工場の従業員を招集して総会を開催、今後の組合の闘争方法などについて話合ったが、次回の総会招集まで自宅待機を要請している。
昨年のフォード社は、同工場で4万2,000台のトラック並びにコンパクトカーFIESTA車を生産したが、週3日勤務で設備稼働率は僅か20%以下に留まって休眠状態が続いていた。
フォード社サン・ベルナルド・ド・カンポ工場には、直接雇用の従業員として製造ライン部門に2,000人、管理部門に800人が勤務、その他間接雇用の従業員を多数抱えているために、工場閉鎖で3,000人以上の雇用が失われる可能性が指摘されて、ABC地区の雇用に大きなダメージを与えると予想されている。
昨年のフォード社のブラジル国内の自動車販売総数は22万6,400台でマーケットシェアは9.17%で4位を占めたが、大半の自動車はバイア州カマサリ工場で生産されている。
フォード社はサン・ベルナルド・ド・カンポ工場閉鎖に伴って、直接・間接雇用従業員並びにサプライヤー、トラックや自動車販売を担う97ディーラー向け賠償・補償金として4億6,000万ドルを確保している。(2019年2月20日付けエスタード紙)