2017年11月11日から施行された新労働法の影響で、労働組合の主な歳入源である組合員による組合費支払いは前年同期比では90%近く減少して、それぞれの組合活動に支障をきたしている。
新労働法施行前には、すべての労働者は組合税という名で有名な労働組合加入費の支払いが義務付けられていて、伝統的に毎年3月に、1日に日割りした給与と同等の金額を給与から差し引かれていた。
しかし昨年11月11日から施行された新労働法では、この労働組合加入費の支払いは任意となり、組合加入費支払いを決めるのは、労働者自身に変更されて労働組合加入費の大幅減少が予想されていた。
多くの労働組合では、労働組合費収入の大幅減少に伴って、労働組合所属の職員削減、組合支社数削減、社用車や組合所有の不動産売却、組合活動の見直しを迫られているが、自動車産業並びに農業、航空宇宙産業に従事する労働者による労働組合、ロビー活動団体である全米自動車労働組合(United Auto Workers:UAW)のように異業種の組合統合が検討されている。
ブラジル国内には労働者の組合が1万1,200組合、企業経営者や工業連盟などを合わせると1万6,600組合が存在、2017年の全組合の収入は36億レアルに達していたが、新労働法施行後の昨年は前年比80%減少している。
1,300の組合支部に160万人の組合員を擁する労働組合の力(Força Sindical組合)は、サンパウロ市リデルダーデ区の12階建ての本部ビルを1,500万レアルで売りに出しているが、2017年の収入は4,500万レアルであったが、新労働法施行後の昨年は前年比80%減少している。
ブラジル一般労働組合(UGT)は、サンパウロ州内の医薬品組合との統合を検討、ブラジル労働者中央組織(CTB)と新中央労働組合(NCST)も統合を検討。
リオ州内の企業経営者組合であるリオ工業連盟(Firjan)は、州内の印刷業界や建設業界との統合を検討している。(2019年2月25日付けエスタード紙)