ブラジルと米国は二国間自由貿易協定を模索

今月18日にブラジルのジャイール・ボルソナロ大統領は、ワシントン市でドナルド・トランプ大統領と煩雑なブロクラシーや規制などを除去した二国間自由貿易協定についての会談が予定されている。

米国第一主義を唱えるトランプ大統領は、NAFTA(北米自由貿易協定)によって拡大した貿易赤字や雇用減少の改善を目的に、昨年9月30日にカナダ政府およびメキシコ政府との間で、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA:United States–Mexico-Canada Agreement)について合意している。

トランプ米大統領が2017年の大統領就任3日目に環太平洋連携協定(TPP)離脱を表明、米国抜きの11ヶ国による新協定「TPP11」を余儀なくされた。また米国と中国の貿易収支の不均衡解消のために米中貿易摩擦を続けている。

ブラジルが加盟しているメルコスールとヨーロッパ連合との自由貿易協定(FTA)は、20年間にわたって交渉が続けられてきたが、牛肉や砂糖、自動車・部品などの分野で双方の意見が未だに一致していない。

昨年10月に米国は二国間貿易政策でインドとブラジルに批判の矛先を向け、特にブラジルは「米国に不都合な関税を課し」、「米国の企業経営者の中には、ブラジルは世界で最も強硬な国の一つだ」とトランプ米大統領は批判していた。

メルコスールを構成するアルゼンチン並びにパラグアイ、ウルグアイ政府は、それぞれ二国間貿易の主張をし始めており、メルコスール貿易協定の見直しの可能性がでてきているとBMJコンサルタント社のレナータ・アマラウ取締役は説明している。

米国ではTrusted Traders(信頼されるトレーダー)に認定されて登録されれば貿易におけるブロクラシー軽減される恩典があり、両国政府は二国間貿易協定締結で最大限のブロクラシーや規制緩和を図る。

米国はブラジルから3か月間のエタノール輸入を1億5,000万リットルに制限、それを超えるエタノールに対して20%の輸入関税をかけているが、米国産豚肉の輸入緩和で相殺する可能性も予想されている。(2019年3月12日付けエスタード紙)

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