ブラジル連邦政府が、アマゾン奥地の開発を図るために1967年に設立したマナウスフリーゾーン(ZFM:Zona Franca de Manaus)では、家電並びに二輪、時計などの外資系工場の進出により、現在までブラジル経済の発展に大きく寄与している。
マナウスフリーゾーンは、特に南東部地域の製造業部門を誘致するために、魅力的な税制恩典政策を導入、2014年の憲法改正でその期限が2023年から50年間延長され、2073年までと定められた。
ZFMの税恩典は、連邦税として輸入税(II)、工業製品税(IPI)、社会統合基金・公務員厚生年金および社会保険融資負担金(PIS/COFINS)の減免、さらには法人所得税(IRPJ)の減免、州税では商品流通サービス税(ICMS)の減免、ZFMに進出する企業が恩典を享受するには、製造する製品ごとに実質的な現地調達義務を定めた基礎製造工程(PPB)基準を満たすことが必要となっている。
しかし2009年のマナウスフリーゾーンの税制恩典比率はブラジル全体の17.1%を占めていたが、他州の零細企業に対して簡易で低率の税制体系が適用されるSIMPLES NACIONAL 適用の拡大で、2018年には8.5%まで減少している。
FGV-EESP(ゼツリオバルガス財団大学サンパウロ経済学部)とサンパウロ州立大学法学部との共同研究では、マナウスフリーゾーンは直接・間接雇用が50万人に達しているために、税制改革や自由貿易推進で大きな影響を蒙るために、議論を重ねる必要があるとマルシオ・オランド教授は指摘している。
アマゾナス州は、地球最大の生物多様性地域の一つであるアマゾンの熱帯雨林以外にも膨大な埋蔵量の肥料のカリウムやレアメタルのニオブの持続的開発が可能とアマゾナス州工業センタ―(Cieam)のウイルソン・ペリコ所長は説明している。
またCieamセンターのウイルソン・ペリコ所長は、マナウスフリーゾーンの港湾のインフレ整備投資や輸出拡大するアマゾナス州地域プロジェクトの重要性を説いている。
1970年にアマゾナス州の一人当たりのGDPは、サンパウロ州の僅か1/7に過ぎなかったが、2010年には1/1.8まで縮小、またマナウスフリーゾーンの教育レベルは飛躍的に上昇している。
マナウスフリーゾーンの雇用拡大に反比例して、アマゾナス州の熱帯雨林の伐採面積は減少するとウイルソン・ペリコ所長は指摘している。(2019年3月27日付けヴァロール紙)