今年3月の自動車業界の雇用は1,000人減少

2019年3月の国内の新車販売は好調に推移した一方で、自動車輸出の70%を占めていたアルゼンチン向け自動車輸出は、為替危機の影響で大幅に減少した影響で、3月の自動車業界の雇用は1,000人減少している。

ホンダ社はブラジル国内の3年以上に亘って継続していた経済リセッションの影響で、工場建設後に3年間閉鎖を余儀なくされていたサンパウロ州イチラピーラ市の自動車工場では、同社の他の自動車工場から移転してきた450人の従業員で自動車生産を開始したために、新規雇用は創出されていない。

2019年3月の新車生産は前年同月比では営業日数が1日減少並びにアルゼンチン向け輸出減少、フォード社のサンパウロ州サン・ベルナルド・ド・カンポ工場(SBC)のストライキ、大雨の影響でメルセデス・ベンツ社のSBC工場の自動車生産が数日間にわたって中断された影響で10%減少している。

今年初め3か月間の新車生産は前年同期比0.6%減少の69万5,700台、新車輸出は長引くアルゼンチンの為替危機で壊滅的な影響を受けて、42.0%減少の10万4,500台に留まっている。

今年初め3か月間のアルゼンチン向け新車輸出台数は、前年同期の13万6,600台から6万1,700台と半分以下に下落した一方で、メキシコ並びにコロンビア向け輸出は増加したものの、アルゼンチン向け輸出台数をカバーしきれていない。

全国自動車工業会(Anfavea)のアントニオ・メガーレ会長は、年初の今年の新車輸出台数は前年比6.0%減少の59万台を見込んでいたにも関わらず、アルゼンチン向け新車輸出が大幅に落ち込んでおり、またアルゼンチン経済の回復が予想を大幅に遅れるために、更なる下方修正を余儀なくされている。

今年初め3か月間のメキシコ向け自動車輸出は輸出全体の13.0%を占めているが、3月18日にブラジル政府並びにメキシコ政府は自動車自由貿易協定にサインしたものの、両国政府は自動車部品の現地調達率を35%、特定の部品に関しては40%で合意したが、ブラジルの自動車メーカーはメキシコ製自動車の現調率の低さを指摘、協定合意内容の再検討で話し合いが予定されている。

今年初め3か月間のブラジル国内の新車販売は、前年同期比11.4%増加の60万7600台と過去4年間で最高記録、特に3月の個人タクシーや法人向けレンタカーなどの自動車メーカーがディーラーを通さない直接販売は、全体の48%を占めていると全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)は発表している。

今年のGDP伸び率予想が相次ぐ下方修正で2.0%を下回っているにも関わらず、全国自動車工業会(Anfavea)では、今年の新車販売を前年比11.4%増加の286万台、自動車生産は9.0%増加の310万台に据置いている。(2019年4月5日付けエスタード紙)

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