昨年の製造業部門がGDPに占める割合は過去40年間で最低

産業開発研究所(Iedi)の調査によると、2018年の製造業部門の生産伸び率は、40%のセクターで前年比マイナス1.0%以上を記録、昨年の製造業部門がGDPに占める割合は僅か11.3%に留まり、過去40年間で最低記録となっている。

1980年末のブラジルの製造業部門がGDPに占める割合は約30%占めていたが、昨年は11.3%まで低下、今年のGDP伸び率が2.0%を下回ると予想されており、今年の製造業部門のGDPに占める割合は昨年を下回ると予想されている。

2000年~2008年の製造業部門の伸び率はGDP伸び率と同率で伸びていたが、製造業部門の輸入製品に対する競争力の低下に伴って、製造業部門がGDPに占める割合は年々低下傾向を示している。

特に2013年以降の製造業部門は、経済リセッションの突入で過去5年間の輸入製品が減少したにも関わらず、インフラ整備の遅れや重税、なおざりにされている先端技術への投資などの要因で、GDPに占める割合が毎年低下してきているとサンパウロ大学のパウロ・モルセイロ教授は指摘している。

製造業部門がGDPに占める割合は、統計を取り始めた1948年は16.3%であったが、1960年は22.2%に上昇、ピーク時の1986年は27.3%、1990年には20%まで低下、2010年は15.3%、昨年は11.3%まで低下している。

今年初め2カ月間の製造業部門の54%のセクターの生産は、前年同期比マイナスを記録、特に履物セクターや繊維セクターは内需低下で昨年10月から6カ月連続で、前年割れを記録してテクニカルリセッションに陥っている。

また今年初め2カ月間の医薬品セクターは、4月の医薬品の価格改正前の在庫調整の影響で前年同期比マイナス12.3%を記録、連邦政府は昨年の薬価は2.5%、今年は4.3%の値上げを承認している。

ブラジルの繊維セクターで最大の輸出相手国であるアルゼンチンが為替危機の影響で輸出が大幅に減少、今年初め2カ月間の繊維セクターの生産は、前年同期比マイナス1.8%を記録しているとブラジル繊維工業会(Abit)のフェルナンド・ピメンテル会長は説明している。

今年初めのブラジル繊維工業会(Abit)では、今年の繊維セクターの生産伸び率を前年比3.0%とGDP伸び率並みを予想していたものの、中銀の最終フォーカスレポートによると、今年のGDP伸び率は、前回予想の2.00%を更に下回る1.98%に下方修正、ブラジル繊維工業会(Abit)も今年の生産伸び率を2.0%に下方修正している。(2019年4月8日付けエスタード紙)

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