【税制改革案が租税の統合と担税率の低減を想定】

 連邦政府が、最大で5種目の連邦税の税目をひとつにまとめるべく準備している。この法案では外にも、現時点で給与支払総額に応じて企業が支払っている社会保障サービス(INSS)に対する雇用者分担金も終了する。その代替として、2つのオプションが俎上に載せられている。すなわち、小切手あるいはクレジットカード、更に現金を含むすべての支払い手段に対して課税すること、あるいは、立ち上げる単一税に対する税率を追加で引き上げることである。

 改革戦略の詳細に関する最初のインタビューで、連邦収税局のマルコス・シントラ局長は、「外科手術を施した上で」2020年を迎えるという考えを示した。「我が国の税制はより効率的で単純化されるだろう」と同局長は言う。単一税に統合する税目は、社会統合計画負担金(PIS)及び社会保障負担金(Cofins)、工業製品税(IPI)、金融操作税(IOF)の一部、そして恐らく純利益に対する社会納付金(CSLL)である。

 給与税の完全な無税化は、2011年にジウマ・ロウセフ大統領時代に採用された給与支払総額に対して20%を課徴していたものを売上の1%に置き換えるといったものとは異なり、永続的かつすべての業種に及ぶ。もはや給与に課税はできないというのが、基本的な認識だ。

 これとは別に取り組むべき課題として、連邦税(国税)の統合だけでなく、連邦政府が第2段階として下院に対して、州税の商品サービス流通税(ICMS)と市税のサービス税(ISS)を統合する憲法改正案(PEC)を提出する準備を進めている。連邦政府と州政府、市役所が統一的に課徴するこの租税は、商品サービス税(IBS:Imposto de Bens e Serviços)と名付けられる。PECは、民度ある財政センター(CCiF)の理事でエコノミストのベルナルド・アピー氏がまとめロドリゴ・マイア下院議長(DEM:民主党=リオデジャネイロ州選出)が支持している提案を叩き台にする。

 この提案について協議する部会を下院が設立する予定で、これには市長と州知事も参加し、国会での審議・可決以上に時間を割く。このため連邦政府は、第1段階として連邦税に変更を加えることを希望しているとシントラ局長は言う。シントラ局長と、アピー氏、専門家らの最初の会合が、4月11日に行われる。

 シントラ局長は、税制改革に関連した新たなPECを提出するため、マイア下院議長がバレイア・ロッシ下院議員(MDB:ブラジル民主運動=サンパウロ州選出)と行った協議に関して、何らの問題もなかったと受け止める。「ブラジル史において大規模な改革案は、立法府が提出するのがいつもの伝統だ」と同局長は言う。

 またシントラ局長によると、行政府と立法府が「手を取り合って」解決策をまとめ上げるのは初めてのことだと言う。元連邦下院議員で下院に提出される単一税の法案を起草したシントラ局長は、改革に「迅速さ」が求められることから、公人は今、実利的態度で挑む必要があると話す。「ブラジルの税制は病んでいる」と同局長はコメント。更に、「21世紀の改革とまでは望まないがより良いモデルへと向かう改革を進める必要がある」と結んだ。(2019年4月11日付けエスタード紙)

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