ブラジル応用経済研究所(IPEA)の調査によると、過去18年間の健康保険プラン料金は382%増加した一方で、
インフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)は208%増加、医療保健セクターのインフレ指数は
180%増加となっている。
医療保険プランの値上げ上限の決定権を持っている厚生省管轄の国家民間補充医療保健サービス監督庁
(ANS)では、医療保険プランの値上げは、インフレ指数のIPCA指数よりも大きいと指摘している
ブラジル応用経済研究所(IPEA)の比較に異論を唱えている。
しかしブラジル国内の医療保険プラン料金は、曖昧な法人向け医療保険プラン規制の影響で、
2006年からインフレ指数を大幅に上回るカーブを描いて上昇しているとブラジル応用経済研究所(IPEA)
エコノミストのCarlos Ocke-Reis氏は指摘している。
また国家民間補充医療保健サービス監督庁(ANS)では、医療保険プラン料金調整は、
単純に広範囲消費者物価指数(IPCA)と比較するのは適切でないと指摘している。
医療保険プラン料金調整の要因として、医療保険プラン運営会社のオペレーションコスト、
最新型の医療機器への更新コストやサービス内容の向上なども吟味されなければならない。
2014年~2017年にかけて医療保険プランに従事する医者をはじめとした医療関係者増加がコスト上昇
の一因となっていると国家民間補充医療保健サービス監督庁(ANS)では説明している。
過去18年間の年間平均医療保険プラン料金は8.71%値上げされた一方で、インフレ指数は5.96%に留まっている。
医療保健部門サービスのインフレ指数は5.51%であった。
国家民間補充医療保健サービス監督庁(ANS)は、昨年12月に新たな医療保険プラン料金の計算式として、
広範囲消費者物価指数(IPCA)と連動する医療負担価格インデックス(IVDA)導入を発表、今年5月からの
適用が予定されている。
昨年医療保険プラン会社は料金値上げを試みたにも拘らず、ブラジル消費者保護院(Idec)が
連邦会計検査院(TCU)に基づくレポートを基に裁判所に訴えたために、値上げは差し止めされた
経緯があった。
ブラジル応用経済研究所(IPEA)では、医療保険プラン料金調整に対して、保健分野の広範囲消費者物価指数(IPCA)や米国のMedical care expenditures price index(医療費支出指数)と同等のシステム導入を奨励している。
健康保健協会(IESS)の調査によると、ブラジルの平均医療病院コスト(VCMH)はインフレ指数の
3.4倍と米国の3.7倍に接近しているが、カナダは4.7倍、ギリシャは6.3倍となっている。
年間の医療保険プラン関連支出総額は1,905億レアル、そのうち医薬品関連支出は127億レアルを占めたが、
不必要な医療検査や不正・詐欺行為は、支出総額の19.2%に相当する366億レアルに達している。
2005年~2018年の医薬品料金は86.99%値上がりした一方で、インフレ指数は118.84%も上昇、
インフレ指数よりも32%少ない調整に留まっていると医薬品工業協会(Interfarma)の
ペドロ・ベルナルド氏は指摘している。
2014年~2017年にかけてブラジルは経済リセッションや並び失業者増加の影響で、医療保険プラン
加入者は、5.8%減少に相当する4,720万人まで減少していると医薬品工業協会(Interfarma)は
指摘している。(2019年5月8日付けヴァロール紙)