ブラジルの銀行スプレッドはマダガスカルに次いで世界2位

ブラジルの銀行スプレッドは、特にクレジット契約履行環境が非常に悪いためクレジット回収率が飛びぬけて低いために、マダガスカルに次いで世界2位の銀行スプレッド金利を余儀なくされている。

LCA ConsultoresエコノミストのVitor Vidal氏並びにジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(Ibre/FGV)エコノミストのマルセル・バラシアーノ氏との共同調査によると、債権回収率が非常に悪いことがブラジルの銀行スプレッドを押上げる要因と指摘している。

ブラジルの銀行スプレッドが非常に高い要因として、非常に低い債権回収率以外に過去最低にも拘らず、1年2カ月以上維持している6.5%の政策誘導金利(Selic)、ブラジル国民の低貯蓄率、継続する連邦政府の財政プライマリー収支赤字、過去の高インフレや物価変動の大きさ、中央銀行の独立性など行政問題などが挙げられる。

2017年の世界の銀行スプレッド比率比較では、マダガスカルが45.0%でトップ、次いでブラジル38.4%、タジギスタン26.0%、キルギスタン17.1%、コンゴ共和国が16.4%でワースト5を形成している。

一方銀行スプレッドが低いのは日本の0.7%で世界トップ、サン・マリノの1.1%、レバノン1.2%、ハンガリー1.4%、チリ1.6%、マレーシア及びオマンがそれぞれ1.7%、ジョージア並びに韓国、カタールそれぞれ1.8%となっている。

また2018年の銀行クレジットの平均回収率比較では、日本は92%でトップ、シンガポール89%、カナダ88%、韓国85%、オーストラリア83%、マレーシア81%、タイ及メキシコ68%、チェコ共和国67%、コロンビアは66%であった。

一方銀行クレジットの平均回収率のワースト10は、ヴェネズエラは僅か6%で世界最悪、スリナミ8%、ウクライナ9%、シエラレオネ共和国及びマダガスカルはそれぞれ11%、ブラジルは13%、ミヤンマー15%、モンゴル17%、ガイアナは18%となっている。(2019年5月12日のエスタード紙)

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