今年1月25日のヴァーレ社ミナス州ブルマジーニョ鉱山のフェイジョン1鉱滓用ダムの決壊事故発生で238人死亡、依然として32人が行方不明となる事故を未然に防げなかった。低品位の鉄鉱石の品位を挙げる方法として物理的分離方法を用いた選鉱プロセスの鉱滓用ダムが利用されている。
また2015年11月にサマルコ社のマリアーナ鉱山鉱滓用ダムの決壊事故発生で過去最悪規模の人身事故となり、有毒物質を含んだ濁流によるドーセ川流域一帯の環境破壊、漁業および農業への壊滅的被害が発生、19人が死亡した事故発生、ヴァーレ社は事故再発防止のための早急な対策に迫られている。
ヴァーレ社は今後5年間で、鉱山鉱滓用ダムを使用しない鉄鉱石乾燥プロセスに110億レアルの投資を発表、現在60%の鉄鉱石乾燥プロセス比率を5年間で70%に引き上げる。
過去10年間に鉱山鉱滓用ダムの決壊事故が発生しない高品質向けの鉄鉱石乾燥プロセスに660億レアルを投資したが、投資対象は含有率が64%に達するパラー州カラジャス鉱山が中心となっている。
しかしヴァーレ社が所有するミナス州の鉄鉱石の平均含有率は40%と低品質で鉱山鉱滓用ダムの使用廃止に伴って、早急な代替プロセス導入が不可欠となっている。
昨年パラー州子鉄鉱石生産は2億トンでそのうち80%に相当する1億6,000万トンは乾燥プロセス処理されている一方で、昨年のミナス州の乾燥プロセス処理は32%と2016年の20%から大幅に上昇している。(2019年5月14日付けエスタード紙)