2017年末から交渉が続いていた米国の航空機製造会社ボーイング社とブラジルのエンブラエル社が両社共同出資、ジョイントベンチャーの資本金は47億5,000万ドル、出資比率はボーイング社80%で38億ドル、座席数が50席~150席までの商用機分野のマーケットシェア争いで、2017年10月のフランス資本エアバス社によるカナダ資本ボンバルデア社への50%以上の出資に対抗する。
今年第1四半期の商用機生産のジョイントベンチャー企業の純益は、伝統的に第1四半期の需要は不振であるにも拘らず、前年同期比23%減少の1億6,080万レアルの赤字を計上している。
同社の今年第1四半期の商用機納入は11機と前年同期の14機を下回り、また前四半期の33機の僅か1/3に留まった。またエグゼクティブジェット機は11機と前四半期の36機の1/3にも満たない数字を記録している。
また同社の今年第1四半期の税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもので総資本に対してどの程度のキャッシュフローを産みだしたかを簡易的に示すEBITDAは5,370万レアルの赤字を計上、前年同四半期の赤字2,770万レアルの2倍に達しているが、売上は31億1,000万レアルと同じ水準であった。
同社の今年の商用機納入は85機~95機、エグゼクティブジェット機は90機~110機がそれぞれ見込まれており、現在の受注残高は136億ドルと昨年末の163億ドルを下廻っている。
今年6月にはエグゼクティブジェット機のPraetor600型の納入開始で売り上げ増加に貢献すると予想されている。また今年6月から軍用機KC-390型をブラジル空軍に納入開始予定、ポルトガルにも5機納入が見込まれている。(2019年5月16日付けヴァロール紙)