四半期ごとの正式な国内総生産(GDP)は、ブラジル地理統計院(IBGE)から今月30日に発表されるが、中銀はIGBEのGDP伸び率の発表を前に、昨日発表された2019年第1四半期の経済活動指数(IBC-Br)は前四半期比マイナス0.68%と大半のエコノミストの予想を下回った。
今月30日に発表される今年第1四半期のGDP伸び率がマイナスを記録すれば2016年第4四半期のマイナス0.6%以来2年ぶりにGDP伸び率はマイナスを記録する。
今年第1四半期の経済活動指数(IBC-Br)が前四半期比マイナス0.68%を記録した要因として、今年1月25日のヴァーレ社ミナス州ブルマジーニョ鉱山のフェイジョン1鉱滓用ダムの決壊事故発生の影響による鉄鉱石の大幅な減産並びにアルゼンチンの為替危機による自動車輸出の大幅な減少、年金・恩給改革遅れによる企業経営者の投資意欲の減衰が挙げられる。
今年第1四半期の鉱工業部門の生産伸び率は前四半期比マイナス2.2%、サービス部門の生産伸び率はマイナス0.6%、小売部門の生産伸び率は僅かに0.2%増加に留まっている。
今年2月の経済活動指数(IBC-Br)は、マイナス0.73%からマイナス0.98%に下方修正され、3月はマイナス0.28%、今年第1四半期のIBC-Br指数は前年同四半期比0.23%増加、過去12カ月間では1.05%増加に留まっている。
Golodman Sachs社並びにBarclays社、 Bradesco銀行、Fator銀行 MUFG Brasil銀行、4E社では、今年第1四半期のGDP伸び率をマイナス0.1%~マイナス0.3%とIBC-Br指数のマイナス0.68%を上回ると予想している。
しかしブラジル地理統計院(IBGE)が昨年の第4四半期のGDP伸び率0.1%増加を見直してマイナスを記録すれば、2回連続で四半期のGDP伸び率がマイナスを記録するテクニカルリセッション入りの可能性がある。
BNP Pribas社では、今年のGDP伸び率を前回予想の2.0%から0.8%と大幅に下方修正しており、2017年並びに2018年のGDP伸び率1.1%増加を下回る可能性を否定していない。Golodman Sachs社並びにBarclays社はそれぞれ1.7%から1.2%に下方修正している。(2019年5月16日付けヴァロール紙)