Selic引下余地はあるものの、年金改革後か

2019年3月のサ―ビス部門のGDP伸び率は、前月比マイナス0.7%と3カ月連続でマイナスを記録して予想以下に留まり、今年第1四半期は前四半期比でマイナス0.6%と2四半期連続増加から減少に転じ景気回復サイクルを離脱している。

今年3月の製造業部門生産はマイナス1.3%、今年第1四半期はマイナス2.2%を記録した一方で、今年3月の自動車並びに建材を除く一般小売販売は前月比0.3%増加、今年3月の広範囲小売販売は前月比1.1%増加に留まっている。

中銀の最終フォーカスレポートでは、今年のGDP伸び率は 1.5% 以下に留まると下方修正、また食料品や燃料価格値上げにも拘らず、今年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は4.0%前後を予想している。

元中銀総裁のAlexandre Schwartsman氏は、企業経営者による投資開始は来年になると予想、中銀は今年下半期に政策誘導金利(Selic)を0.75%~1.00%下げる余地はあると説明している一方で、今年初めの大半のエコノミストは通貨政策委員会(Copom)による政策誘導金利(Selic)引下開始は、2020年にずれ込むと予想していた。

年金・恩給改革スケジュールが予定よりも大幅に遅れているために、今年のGDP伸び率は2017年並びに2018年と同じ水準の1.0%~1.5%に留まるとAlexandre Schwartsman氏は予想している。

今月10日のブラデスコ銀行は今年のGDP伸び率を1.9%から1.1%と大幅に下方修正、年末のSelic金利を5.75%と予想、一方サフラ銀行チーフエコノミストのカルロス・カワル氏は、年金改革が下院で承認されれば第3四半期中にSelic金利の引き下げの可能性を示唆している。

銀行業務集中サービス会社(Serasa Experian)の調査によると、今年のブラジル全国の「母の日」商戦期間の小売販売は、前年同期比でマイナス1.4%を記録、サンパウロ市ではマイナス2.1%を記録した。(2019年5月15日付けエスタード紙)
 

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