ブラジル資本Natura社は、米国に本拠を置く化粧品メーカーAvon社の買収で世界4位の化粧品会社が誕生、ブラジル景気低迷で国内市場の拡大が遅れているが、Avon社買収で海外展開が容易となる。
世界の化粧品メーカーランキ比較では、Avon社買収でブラジル資本Natura社は、フランス資本ロレアル(Lóreal)社並びに米国資本エスティ・ローダー(Estee Lauder)、日本資本の資生堂に次いで世界シェア4位に上昇する。
ナチュラ社は2017年にフランス資本ロレアルから英ブランド「ザ・ボディショップ」を買収、スキンケアからヘアケア、ボディケア、フレグランスまで幅広く展開するオーストラリア資本イソップ(Aesop)社も買収している。
Natura社のAvon社買収のニュースで、昨日のサンパウロ証券取引所に上場している昨日のNatura社の株価の終値は、9.43%高騰の1株61.50レアルを記録している。
Natura社のAvon社買収によるホールディング会社Natura&Co社は、Natura社の株主が76%、Avon社の株主が24.0%で構成、売上は100億ドル(レアル換算で400億レアル)、従業員総数は4万人、世界100カ国で事業を展開する。
Natura社のAvon社買収で、大衆向け化粧品・衛生用品のマーケットシェア拡大が見込まれており、シナジー効果は1億5,000万ドル~2億5,000万ドルが見込まれている。
Natura社のAvon社買収でブラジル国内の化粧品マーケット市場では、競合化粧品会社のBoticario社並びに英国・オランダ資本のユニリバー社に引き離してダントツのリーダーになると予想されている。
Natura社のAvon社買収案件は、日本の公正取引委員会に相当する経済防衛行政審議会(Cade)の承認を得なければならないが、審査終了は2020年初めになると予想されている。
Natura社のAvon社買収案件の主幹事銀行はUBS銀行並びにMorgan Stanley銀行、Avon社側の主幹事銀行はGoldman Sachs銀行であった。またホールディング会社Natura&Co社経営審議会は13人のメンバーで構成されるが、Avon社から3人が参加する。(2019年5月23日付けエスタード紙)