Iraja Abreu上院議員(PSD:社会民主党=トカンチンス州選出)は、先週21日に農畜産部門の投資活性化の一環として、外国人の個人及び法人企業に対するブラジル国内の土地所有を認める要請書を提出した。
1971年の法令5709号で外国人によるブラジル国内の農耕地所有は禁止されていたにも関わらず、形骸化していたため2010年に連邦政府が外国人による自由な土地購入に対する制限強化、ブラジルに本拠を置く企業を設立することで既存の制限をかいくぐる抜け道を塞ぐことを決定して制限されていたが、しかし外国人による農耕地購入による投資は、ブラジル国内経済を活性化させる利点のほうが制限するよりも多いと議論されてきた経緯があった。
またジウマ政権では長らく外国人への耕作地所有に関する議論は棚上げされていたが、外国人による農耕地の購入で植林事業や農畜産事業への投資を活性化する動きがでてきており、また外国企業グループによる農耕地購入は最大10万ヘクタールまでに制限すれば問題は発生しないと議論されていた経緯があった。
2012年に外国人によるブラジル国内の土地所有に関する法令が変更されて国会に提出されたにも関わらず、塩漬けとなっていた。2016年に、ニュートン・カルドーゾ下院議員(MDB:ブラジル民主運動党=ミナス州選出)は、外国人が購入できる土地面積を各市町村の25%までに限定すれば問題はないと強調している。
またカルドーゾ下院議員は、外国人によるブラジル国内の土地所有容認で毎年500億レアルに達する投資に結び付いて、ブラジルの農業が飛躍的に発展すると強調している。
外国人の個人及び法人企業名義のブラジル国内の土地所有面積は、リオ州に匹敵する361万7,000ヘクタール、そのうち個人名義の土地面積は129万3,000レクタール、法人企業名義の土地面積は232万4,000レクタールとなっている。
外国人の個人及び法人企業名義のブラジル国内の所有土地は、全国の市町村5,500市の約60%に相当する3,205市に及んでいると全国農業信用システム(SNCR)並びに国立農地改革院(INCRA)の統計から割り出されている。
ブラジル農村協会(SRB)では、ボウソナロ次期大統領の積極的な外資導入の一環として、テレーザ・クリスティーナ農務相の農畜産業界の輸出拡大のための外資系企業に対する農畜産部門投資解放政策に期待している。(2019年5月25日付けエスタード紙)