鉱山動力省では天然ガス開発の新規投資を328億レアル

連邦政府は、天然ガス市場の民営化を促す「ガス新市場プログラム(Programa Novos Mercado de Gas」を発表、ペトロブラス石油公社が川上から川下まで独占している天然ガス市場開放で、328億レアルの投資に結び付くと鉱山動力省(MME)は予想している。

このガス新市場プログラムにはガスパイプライン並びに液化天然ガス(LNG)ターミナル、天然ガス製油所など国内外の投資家に開放して、一般家庭向けプロパンガスの価格引き下げや大口製造業向け天然ガス価格引き下げによる競争力の強化を図る狙いがある。

ペトロブラスが天然ガス生産、ガスパイプラン、天然ガス製油所、輸送やガソリンポスト網を敷いて寡占化状態になっているために、ガス関連の価格決定で独占的な状況になっており、競争原理が働いていない。

ガス新市場プログラムによる天然ガス部門の民営化促進政策に対して、大手外資系のShell社並びに Galp社、 Repsol 社、プレソルト原油・天然ガス開発でペトロブラスと共同開発している外資系企業は、低価格でペトロブラスに天然ガス供給を余儀なくされていた。

サンパウロ州サントス海盆のプレソルトのカルカラ鉱区で共同開発しているノルウエー資本Equinor社並びに世界最大の石油メジャーExxon Mobil社は、挙ってガスパイプラインに参入する可能性が大きい。

しかしペトロブラスは一般家庭向けガス供給事業では、ガス輸送企業4社並びにガス配給企業19社を抱えて独占状況となっており、グループ傘下のGaspetro社の51%の株式放出が予想されている。

ペトロブラスはボリヴィアで生産される天然ガスをブラジルまで輸送するガスパイプライン事業Transportadora Brasileira Gasoduto Bolivia-Brasil(TBG) の51%の株式を所有している。

ペトロブラスは、ブラジル国内では天然ガス輸送向けパイプライン事業分野でNova Transportadora do Sudeste(NTS)社の10%の株式を所有、株式の90%をフランス資本Engie社並びにカナダの年金ファンドCaisse de Depot e Placement du Quebec(CDPQ)で構成されるコンソーシアムに86億ドル(330億レアル相当)で売却したTransportadora Associada de Gas(TAG)の10%の株式を所有している。

電力エネルギー調査公社(EPE)では、製造業向けガス価格の46%は精製ガス価格、税金は24%、ガス配給会社の利益は17%、輸送費は13%となっているが、各州政府がガス配給事業を民営化すれば価格低下に繋がると説明している。(2019年6月26日付けヴァロール紙)

https://camaradojapao.org.br/jp/?p=45814