今年の穀物生産は記録更新予想も生産者の実質収入は減少予想

国家配給公社(Conab)の今年の穀物生産予想によると、2018/2019年度の穀物生産は、トウモロコシ増産が牽引して2億470万トンと2016/2017年度の穀物生産の2億3,760万トンを上回ると予想されている。

昨年の穀物生産は、米中貿易摩擦の影響を受けて中国向け穀物輸出が牽引して前年比20%増加を記録していたが、今年の穀物生産者のインフレ指数を差引かない名目収入は前年比0.16%減少が見込まれている。

コンサルタント会社MacroSector社では、今年の棉並びに米、フェジョン豆、大豆、小麦による生産者の売上は2,449億レアルと昨年の2,453億レアルを下回ると予想している。

今年の穀物生産者の売上減少要因として、大豆の国際コモディティ価格の減少並びにグローバル経済の落込み、トラック輸送コストの上昇、レアル安の為替を挙げている。

ブラジルの穀物生産者にとって大豆による収入は50%以上を占めており、大豆の国際コモディティ価格が大きく左右する要因とブラジル地理統計院(IBGE)では指摘している。

ブラジルの穀倉地帯である中西部地域のシノップ市の1俵当たりの大豆価格は62レアル~63レアルに留まって、生産コスト並みとマット・グロッソ州のソリーゾ農村組合のチアゴ・ステファネロ会長は憂慮している。

今年の生産コストは前年比10%~15.0%上昇しているために、生産者は安い種子購入で生産性が低下、また農薬も前年比25.0%~30.0%上昇しているとマット・グロッソ州種子配給・生産者協会のカルロス・エルネスト・アウグスティン氏は指摘している。

MBAgro社のジョゼ・カルロス・ハウスクネッチ氏は、米中貿易摩擦勃発時の中国は高価格でブラジルの大豆を購入していたが、中国内の豚ペスト発生で大豆消費減少で輸出も減少していると指摘している。(2019年7月12日付けエスタード紙)

 

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