FGTS預金引出でGDPを0.55%押上げ効果

連邦政府は新社会保障改革案の国会承認が9月以降にずれ込むために、年内の国内経済活性化の一環として一般消費者の消費拡大するために、今年9月からの現役サラリーマンの勤続期間保障基金(FGTS)預金や凍結預金引出を決定している。

FGTS預金以外にも社会統合基金(PIS)/公務員厚生年金(PASEP)の引出による2020年末までの経済効果は、420億レアルに達すると予想されており、現在のFGTS預金並びにと凍結預金口座は2億6,000万口座に達している。

連邦政府では、FGTS預金及び社会統合基金(PIS)/公務員厚生年金(PASEP)の引出効果は引出開始後12カ月間でGDP伸び率を0.35%引き上げると予想していた。

しかしLCA Consultores社では、420億レアルに達する引出金は直接及び間接効果として、引出開始後12カ月間でGDP伸び率を0.55%引き上げると予想している。

2015年末までに正当な理由で解雇されたり、辞任を申し入れたりして会社を辞めた人が、退職後も引き出せずにいた勤続期間保障基金(FGTS)に積み立てられた凍結預金の引き出しは、ミッシェル・テーメル政権時の2017年3月10日から開始されて7月31日で終了、2,590万人の労働者が総額440億レアルの凍結預金引出を記録したにも拘らず、消費に回ったのは25%だけでGDPを0.2%~0.3%押し上げただけに留まった。

経済省では、今年のFGTS引出は280億レアル、2020年は120億レアル、社会統合基金(PIS)/公務員厚生年金(PASEP)は20億レアルとなっているが、明日6日に連邦貯蓄金庫のペドロ・ギマランエス総裁は引出スケジュールを発表する。

LCA Consultores社では、今回のFGTS引出では2017年の2,590万人を遥かに上回る9,600万人が恩恵を受け、また引出総額の63%は消費に回ると予想、0.35%のGDP伸び率に結び付くと予想している。

また今回のFGTS預金の平均引出金額は415レアルと2017年を大幅に下回り、9,600万人のうち5,470万人は500レアル以下の引出に留まるために、消費に回ると予想されている。

中銀の最終フォーカスレポートによると、今年のGDP伸び率を0.82%増加と予想しているが、LCAではFGTS預金引出効果で1.0%増加を予想、また連邦政府は2020年のGDP伸び率を2.1%と予想している一方で、LCAでは2.5%を予想している。(2019年8月4日付けエスタード紙)

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