>ヨーロッパ連合と米国は500億ドル相当の工業製品市場で覇権争い

6月末に20年間に亘って交渉を続けてきたメルコスールとヨーロッパ連合(EU)のFTA交渉が政治合意に達したが、7月末にトランプ大統領は「米国に高関税を課しているものの、ブラジルは偉大な貿易パートナーであり、両国の関係は非常に良好」と強調して、米国はブラジルとの二国間貿易協定締結を目指して交渉開始を発表している。

メルコスールとヨーロッパ連合(EU)のFTA交渉が政治合意で、今後15年間かけて輸入関税の軽減が行われるが、ヨーロッパ連合にとってブラジル向けの高付加価値製品の競争力が米国よりも上昇する。

特にヨーロッパ連合(EU)からブラジルに輸出される機械・装置、化学製品、医薬品、プラスティック製品、燃料、肥料、飲料、化粧品、航空機などの輸入関税引き下げに伴って米国製品よりも価格競争力が上昇する。

メルコスールの域外からの輸入関税は、プラスティック製品や化学製品、医療機器、タイヤ、鉄鋼製品は14.0%~16.0%、食料品20%、繊維製品26%、自動車は35%の輸入関税がかけられている。

2018年のヨーロッパ連合(EU)からブラジルへの906品目の輸出総額は272億ドルに対して、米国の輸出総額は237億ドルに留まっていたが、ヨーロッパ連合はFTA締結で益々有利となる。

輸入関税が35%の2018年のヨーロッパ連合からブラジルへの自動車輸出は1億2,200万ドル、米国は6億1,500万ドル、前記同様に輸入関税が18%の自動車部品・プラスティック製品、化粧、金属製品は10億ドルに対して32億どるっであった。(2019年8月13日付けヴァロール紙)

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