上院憲法・法務委員会(CCJ)では年金改革基本文書案を承認

昨日9月4日の上院憲法・法務委員会(CCJ)では、報告官のタッソ・ジェレイサッチ上院議員(民主社会党-PSDB)の年金改革意見書テキストは賛成票18票、反対票7票をもって可決された。

年金改革法案は上院の憲法司法委員会、本会議においてそれぞれの審議・承認(上院本会議では6割以上の賛成、投票は2回)を経て成立するが、ダヴィ・アルコルンブレ上院議長(DEM:民主党=アマパ州選出)は、来週、遅くとも再来週に上院本会議で新社会保障年金改革の2回の基本文書案の審議・承認の実施を予定している。

上院憲法・法務委員会(CCJ)で承認されたタッソ・ジェレイサッチ上院議員(民主社会党-PSDB)の年金改革意見書テキストでは、今後10年間の連邦政府の歳出削減効果は8,700億レアルに縮小すると予想されている。

8月7日の下院本会議で新社会保障年金改革の第2回目の基本文書案の採択が行われ、最低可決に必要な下院議員513人のうち308票を62票上回る賛成票370票に対して、反対票124票で可決。新社会保障年金改革の第2回目の基本文書案では、今後10年間の連邦政府の歳出削減効果は9,335億レアルと経済省では算盤をはじいていた。

上院憲法・法務委員会(CCJ)での承認を得るために、上院議席81議席のうち13議席を占めるブラジル民主運動党(MDB)の票取り込みのためには、今後10年間の連邦政府の歳出削減効果が8,700億レアルに縮小するのはやむを得ない政治判断となっていた。

ブラジル民主運動党(MDB)の要請による意見書テキスト変更は、いかなる条件の遺族恩給支給額が最低サラリーを下回らない項目だけで、今後10年間の連邦政府の歳出削減効果は350億レアル失われ、下院での最終承認額よりも635億レアルの経済効果削減となる。

下院議会で年金制度改革に州及び市の規定を包含させることに対する抵抗を受け、ダヴィ・アルコルンブレ上院議長(DEM:民主党=アマパー州選出)と上院の各党リーダーらは、州及び市の地方公務員に対する定年及び老齢年金は別の憲法改正案(PEC)として分離するが、この今後10年間の地方政府の歳出削減効果は3,500億レアルに達すると見込まれている。

2003年以前に採用された連邦警察官の年金受給最低年齢は55歳、年金支給額は最終サラリーと同額を維持、更に現役公務員と同様のサラリー調整と同じ年金・恩給調整を受けるために、今後10年間の連邦政府の歳出削減効果は170億レアルが消滅するが、年金改革を実現するためにはやむ得ない。

ブラジルでは社会保障関連支出が大きく、基礎的財政収支は2014年以降5年連続赤字を記録して早急な年金改革が不可欠で、下院では7月10日に1回目の採決を行い、賛成379、反対131で同法案を可決、2回目の採決は賛成370、反対124で通過して、現在は上院での審議が開始されている。(2019年9月5日付けヴァロール紙)

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