ボルソナロ大統領は歳出上限法の緩和政策導入を放棄

ジャイール・ボルソナロ大統領は、国内経済停滞による歳入減少並びに社会保障院(INSS)を中心とした歳出拡大の影響で、財政削減政策の一環として義務的歳出の公務員給与、生活保護費並びに児童福祉費,老人福祉費などの扶助費、公債費の削減をするための憲法補足法案(PEC)を通して、義務的支出枠の柔軟な変更検討を余儀なくされていた。

連邦政府では、歳入減少に伴って各省庁に対する340億レアル以上に達する分配・交付金の支払遅延を余儀なくされ、連邦政府の13省庁は予算凍結措置で、9月末までに政府機関の一部閉鎖を意味するシャットダウン状態に陥る可能性が濃厚となっていた経緯があった。

今月4日にボルソナロ大統領は、歳出上限法の緩和政策の導入が避けられないために、義務的歳出の公務員給与、新規の職務や雇用増加の禁止、新規の公務員雇用や新規の公務員試験実施の禁止、新規の義務的歳出事項の禁止、新規の優遇税制政策導入禁止などの導入政策を強調していた。

しかしパウロ・ゲーデス経済相は、ボルソナロ大統領に対して、「政府や各省庁の予算は基本的に前年度の予算にインフレ率をかけた以上の拡大はできない」テーメル政権時代に憲法改正の形で成立した歳出上限法の必要性を説得して、歳出上限法改正の中止につなげた。

パウロ・ゲーデス経済相経済班は、2020年予算の96%は義務的支出であり、公共投資などの裁量的支出ができないために、最低でも100億レアルの義務的支出の削減で裁量的支出枠の拡大を検討している。

テーメル政権以降は、各省庁の予算は前年度予算のインフレ率以上の予算編成は禁止される歳出上限法を適用、しかし過去40年間に亘って歳出上限法は履行されず、過去3年間の義務的歳出は2000億レアル増加していると経済省経済政策局のAdolfo Sachsida局長は指摘している。(2019年9月6日付けエスタード紙)

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