今年7月の一般小売販売はクレジットが牽引して1.0%増加

ブラジル地理統計院(IBGE)の月間小売調査(PMC)によると、2019年7月の自動車並びに建材を除く一般小売販売は個人向けクレジット拡大並びに労働市場の改善、コントロールされているインフレなどが牽引して前月比1.0%増加、7月としては2013年以来で最高の増加率を記録している。

今年7月の一般小売販売の平均予想は僅か0.1%増加、最高の予想は0.8%増加で金融市場関係者の予想をすべて上回った。また7月の自動車並びに建材部門を含む広範囲小売販売は前月比0.7%増加であった。

労働手帳に記載される正規雇用の失業率は高止まりしているが、非正規雇用の増加で見かけ上の失業率は低下傾向で実質賃金も目減りしているにも拘らず、一般消費者の需要増加が小売販売の増加に繋がっている。

今年7月の一般小売販売で約50%のウエートを占めるハイパー・スーパーマーケット・食料品・飲料・嗜好品セクター販売は、前月比1.3%と大幅増加を記録しているとブラジルスーパーマーケット協会(Abras)は説明している。

今年5月~7月のインフレ指数は低率で推移して、0.7%増加を記録した医薬品を含む基礎製品の購買に結び付いているとPezco社エコノミストのエルシオ・タケダ氏は指摘している。

中銀の統計によると今年7月の個人向けクレジット部門は前月比5.1%増加、7月の過去12カ月間のクレジット部門は12.9%と二桁台の伸び率を記録して、小売販売増加に繋がっているとBOA VISTA SCPC(信用保護サービスセンター)エコノミストのフラヴィオ・カリフェ氏は指摘している。

7月のクレジット販売に敏感に反応する家具・家電販売は前月比1.6%増加した一方で、自動車並びに自動車部品販売はマイナス0.9%を記録しているとイタウー銀行エコノミストは説明している。

連邦政府は、年内の国内経済活性化の一環として一般消費者の消費拡大するために、現役サラリーマンの勤続期間保障基金(FGTS)預金や凍結預金引出を開始するが、その効果は短期間に留まるとエルシオ・タケダ氏は指摘している。(2019年9月12日付けヴァロール紙)

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