中銀の通貨政策委員会は、全会一致でSelic金利を5.5%に決定

昨日中銀の通貨政策委員会(Copom)では、低調な国内経済及びにコントロールされているインフレが要因となって、全会一致で政策誘導金利(Selic)を6.0%から0.5%引下げて5.5%に決定、1996年6月以降では過去最低のSelic金利となった。

2017年3月から2019年7月まで約2年半に亘ってSelic金利は6.5%を維持していたが、前回の通貨政策委員会(Copom)では全会一致で政策誘導金利(Selic)を6.5%から0.5%引下げて6.0%に決定、2回連続でそれぞれ0.5%引き下げられている。

ブロードキャスト・プロジェクションの55金融機関対象の調査では、全ての金融機関は今回のSelic金利の0.5%引下げを予想、ジャイール・ボルソナロ大統領は、ツイッターで2回連続でのSelic金利引下げで過去最低金利を達成、経済政策は功を奏していると強調している。

米連邦準備理事会(FRB)はFF金利の誘導目標を1.75%-2.00%と0.25%引き下げるなど国際情勢は新興国の金利引き下げに追い風となっていると中銀のロベルト・カンポス・ネット総裁は指摘している。

しかし先週14日にサウジアラビアのEastern州で国営石油会社サウジ・アラムコ(Saudi Aramco)の施設2か所がドローンによる攻撃を受けて火災発生。隣国のイエメンの反政府武装組織フーシ派(Huthi)が犯行声明を発表、石油の国際コモディティが急上昇して、世界経済に与える悪影響の規模は不透明となっている。

中銀は今年のインフレ指数を前回予想の3.6%から3.3%、2020年のインフレ指数を前回予想の3.9%から3.6%とそれぞれ大幅な下方修正を行っており、今年のインフレ中央目標値の4.25%、2020年の4.00%をそれぞれ下回る予想を行っている。

中銀では、インフレの良性シナリオが継続すると予想しており、次回の通貨政策委員会(Copom)では、Selic金利の0.25%若しくは0.5%切下げの可能性を示唆している。

Fibra銀行チーフエコノミストのクリスティアーノ・オリヴェイラ氏は、10月末のCopomでのSelic金利の0.5%引下げを予想、インフレのコントロールが継続すれば12月までSelic金利の引き下げサイクルは継続すると予想している。

今回のSelic金利の5.5%への引下で、ブラジルのインフレ指数を差引いた実質金利は1.65%で世界8位、アルゼンチンの実質金利は10.0%と世界最高金利、前回のCopom会議でのSelic金利の6.0%の引下で、ブラジルの実質金利は1.63%で世界8位であった。

Ourinvest Investimentos社チーフエコノミストのフェルナンダ・コンソルテ氏は、今年末のSelic金利を5.0%若しくは4.5%に引き下げられると予想、サンタンデール銀行では、2020年の大半の期間のSelic金利は4.5%で安定すると予想している。(2019年9月19日付けエスタード紙)

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