全国自動車工業会(Anfavea)では、今年の自動車生産は、ルゼンチンの為替危機の影響でアルゼンチン向け自動車輸出が壊滅的な減少を記録して、年初予想を20万台下回る予想に下方修正している。
今年1月のアルゼンチン向けの今年の新車輸出は37万台が予想されていたにも関わらず、為替危機によるアルゼンチン経済の停滞、更に8月11日に実施された予備選挙でマウリシオ・マクリ大統領が敗北したことを受け、同国の金融市場はパニックに陥り、株安とペソ安などの打撃を受けた影響も更なる逆風となって半分以下の17万5,000台に留まると予想されている。
全国自動車工業会(Anfavea)では、今年のトラックやバスを含む自動車生産は前年比僅か2.1%増加の294万台に下方修正したが、今年1月は前年比9.0%増加が予想されていた。
各自動車メーカーでは自動車の在庫調整のために、今年年末には昨年を上回る規模の製造ライン従業員の集団休暇採用、またワーゲン社ではサンパウロ州ABC地区の自動車工場の従業員に対して、アルゼンチン向け自動車輸出次第では、来年1月に生産調整のためのレイオフ採用の検討を余儀なくされている。
今年の自動車輸出は昨、アルゼンチン向け自動車輸出の昨年大幅な減少に伴っての59万台から42万台と約33%下方修正されているが、全国自動車工業会(Anfavea)のルイス・カルロス・モラレス会長は、2020年のアルゼンチン市場の回復はあまり期待できないと悲観的な予想をしている。
2018年のアルゼンチン向け自動車輸出は全体の70%を占めていたにも拘らず、現在は僅か50%に留まっている。また今年1月の国内販売は前年比11.4%と二桁増加が予想されていたが、予想を6万台下回る9.1%増加に留まると予想されている。
しかし年金・恩給改革が予定の10月以内に国会で承認されれば、昨年よりも自動車購入向けクレジットが拡大しているために、国内の自動車販売は回復する可能性があるとモラレス会長は期待している。
今年初め9カ月間の自動車生産は前年同期比2.9%増加の225万8,000台、国内販売は9.9%増加の202万9,000台、一方自動車輸出は35.6%減少の33万7,500台、過去12カ月間の自動車工業界の従業員総数は4,600人減少の12万7,900人に縮小している。(2019年10月8日付けエスタード紙)