明日10日の第16回岩塩層上(ポスサル)石油・天然ガス入札並びに11月6日の岩塩層下(プレサル)石油・天然ガス入札、商業的な原油埋蔵量が確認されていない11月7日の第6回プレサル石油・天然ガス入札と今後1カ月間以内に3回の石油・天然ガス入札が実施される。
連邦政府では3回の石油・天然ガス入札による臨時歳入は2370億レアルに達すると胸算用しているが、連邦政府は2010年にペトロブラス石油公社に50億バレルの原油開発を許可の代わりに、ペトロブラスは連邦政府に748億レアルを支払っていた経緯があり、今回の3回の入札ではペトロブラスがすでにプレソルト鉱区での原油開発で投資を行った1,200億レアルが補填される。
明日10日の第16回岩塩層上(ポスサル)石油・天然ガス入札による臨時歳入は32億レアルが見込まれており、埋蔵量が有望なリオ州カンポス海盆のBloco C-M-541鉱区の最低入札価格は13億7,500万レアルに設定されている。
また前記同様に石油・天然ガス開発では、ニューフロンティのペルナンブーコ‐パライバ沿岸の5鉱区、バイア州沿岸のカラムル‐アルメーダの4鉱区、セルジッペ州沿岸のジャクイペの3鉱区のBloco JA-M-26の最低入札価格は17億レアルが設定されている。またサンパウロ州沿岸のサントス海盆の11鉱区も入札が予定されている。
第16回岩塩層上(ポスサル)石油・天然ガス入札に名乗りを挙げているのは、世界の石油メジャーの英国/オランダ資本のシェル社、フランス資本 Total社、英国資本BP社、 米国資本Exxon社並びにChevron社、ポルトガル資本Petrogal社、ペトロブラス石油公社などがプレソルト鉱区入札に参加。また中国資本の中国海洋石油(CNOOC)も参加を表明している。
コロンビア資本Ecopetrol社、ノルウエー資本Equinor社、カタール資本QPI社、ドイツ資本Wintershall DEA社、オーストラリア資本Karoon社、スペイン資本Repsol社、ブラジル資本Enauta社、米国資本Murphy社、マレーシアのPetronas社がそれぞれ入札参加を表明している。
ペトロブラスに対する1,200億レアルの補填費用を除いた1,170億レアルは、入札ボーナスとして連邦政府の臨時歳入となるが、2030年までの石油・天然ガスロイヤリティや税収として、連邦政府並びに地方政府(州・市)には総額3,000億レアルの臨時歳入が見込まれている。
11月7日までに予定されている3回の石油・天然ガス入札による臨時歳入は2020年の6月26日までに計上されて、来年度の予算に組込まれるにも拘らず、既に公共負債削減のための支出が決まっているために、大きな経済効果には結びつかないと予想されている。
11月6日に予定されているプレソルト鉱区の石油・天然ガス入札の地方政府への分配比率を巡って、ダヴィ・アルコルンブレ上院議長並びにロドリゴ・マイア下院議長は、政治工作を余儀なくされているが、今月22日に予定されている上院本会議での年金・恩給改革の第2回採決を前に、来週16日に最終決定すると見込まれている。
11月6日の石油・天然ガス入札では、総額1,065億レアルの臨時歳入のうちペトロブラス石油公社には差額の336億レアルを分配、州政府並びに市町村、議会にはそれぞれ10%に相当する73億レアル、プレソルト鉱区を擁するリオ州政府には21億9,000万レアル、連邦政府には489億レアルの分配が話し合われていた経緯があった。