連邦政府は国会承認なしの行政組織変更を模索

連邦政府は、省庁などの行政組織変更を速やかに実施するために、煩雑で時間を要する国会での承認なしでの大統領の権限での変更するための憲法改正を模索している。

今年1月の発足したボルソナロ新政権では、大統領暫定令で小さな政府を目標にテーメル政権の29省庁の閣僚ポストの半減を目指して、財務省と経済政策をつかさどる企画省や商工サービス省を統合させた「経済省」の創設を発表、22省庁に削減していた。

しかし行政組織の変更を行うためには国会での承認が必要で、汚職撲滅を約束したボルソナロ大統領がセルジオ・モロ氏を法相に指名した時から描いていた戦略の一つであった法務省管轄下だった金融活動管理審議会(Coaf)は、経済省の管轄下に置くことが決まった経緯があった。

ボルソナロ新政権の議会に対する連邦政府の政局調整力の弱さが露呈されて、汚職撲滅を謳い文句にしてきたボルソナロ政権の計画が大きく狂い、ラヴァ・ジャット汚職問題の進展でも狂いが生じている。

連邦政府は、今月22日までに予定されている年金・恩給改革法案の上院議会での採決後すぐに行政組織の効率化と経費削減を目的とし、公務員の配置転換や免職を伴う行政改革の最終テキスト草案を国会に送る計画をしている。

パウロ・ゲーデス経済相は、連邦公務員の117種類のキャリア見直し並びに公務員採用基準の見直し、新たに採用される連邦公務員に対する昇給や特典、解雇規則などの新規定を決める。

またパウロ・ゲーデス経済相は、特に連邦公務員が受けている特典として、有給休暇システムや各種特典、賞与など民間企業との格差が大きい特典の見直しを行う。また新規採用の連邦公務員の民間企業との給与格差、細分化されたキャリアに伴う昇給などの見直しを行う。

経済省では、連邦政府の年金改革と同じシステムを地方政府(州・市)でも導入すれば今後の州政府の歳出削減に結び付き、コントロールが容易となるが、2020年の地方統一選挙をにらんだ攻防で、地方政府は独自システムを導入の可能性が高くなっている。(2019年10月17日付けエスタード紙)

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