中国鉄建(CRCC)グループ傘下のCR20社は、オデブレヒト社並びにケイロース・ガルボン社、UTC社で構成されているコンソーシアムMove São Pauloが請け負っているにも拘らず、資金不足で中断を余儀なくされているサンパウロ市の地下鉄6号線工事請負で交渉中となっている。
この地下鉄6号線工事請負交渉では、中国資本CR20社以外にもスペイン資本Acciona社並びに米国資本KT2社が名乗りを挙げているが、中国資本CR20社の請負条件が有利と見込まれている。
コンソーシアムMove São Pauloを構成しているオデブレヒト社並びにケイロース・ガルボン社、UTC社は、2014年3月に発覚した連邦警察のペトロブラス石油公社関連ラヴァ・ジャット作戦汚職問題などで、大手ゼネコン企業幹部の逮捕が相次いで企業イメージが悪化、連邦政府によるインフラコンセッション入札参加が禁止されている影響で、地下鉄工事を継続するための資金調達ができない。
地下鉄6号線を完成させるためには100億レアル以上の投資が必要となっており、サンパウロ州政府に対して11月11日までに工事請負会社を決定しなければならない。
サンパウロ州政府とコンソーシアムMove São Pauloは2013年に地下鉄6号線工事で調印、地下鉄工事は2016年から開始されたにも拘らず、オデブレヒト社並びにケイロース・ガルボン社、UTC社のラヴァ・ジャット汚職問題が発覚した影響で工事が中止されていた。
地下鉄6号線はサンパウロ市北部のBrasilandia並びに Freguesia do Óを結ぶ15キロメートルの地下鉄で、15カ所の停車駅には大学が多くあるために、別名大学沿線と呼ばれている。
地下鉄6号線が完成すれば1日当たりの63万3,000人の利用が見込まれており、パウリスタ大学(Unip)並びにカトリック大学(PUC)、アルマンド・アルヴァレス・ペンチアード大学(Faap)、マッケンジー大学、FMU大学を擁している。(2019年10月19日付けエスタード紙)