ブラジル銀行並びにノルデステ銀行が農業向けクレジットを独占していたが、3年前から継続している政策誘導金利(Selic)の減少に伴って、民間銀行は農業向けクレジットに参入し始めている。
大手民間銀行のブラデスコ銀行並びにイタウー銀行、サンタンデール銀行は、農業向けクレジット拡大で、人口が5万人~6万人規模の地方都市をターゲットに、年末までに40支店を開設する。
2015年の農業向けクレジット総額は2,610億レアル、公立銀行はクレジット総額の76%を占めていたが、今年の農業向けクレジット総額は3,060億レアルで公立銀行のクレジット比率は70%予想、しかし2022年の農業向けクレジット総額は3,550億レアル、民間銀行のクレジット総額は50%を占めると予想されている。
2019年の零細・中規模農家の収穫プラン向け銀行金利は6.0%に固定されているが、大型農業の収穫プラン向け銀行金利は8.0%、現在のSelic金利が5.5%まで低下しているために、民間銀行は6.50%~8.50%のクレジット金利でも農業向けクレジットが拡大できる。
2019/2020年度向け収穫プランのクレジット総額は2,255億9,000万レアルが見込まれているが、ファイナンスの33%はポウパンサ預金、農業証券22%、社会経済開発銀行(BNDES)は11.0%となっている。
ジャイール・ボルソナーロ大統領は、農業向け補助金削減と民間銀行の農業向けクレジット拡大するための大統領暫定令MP897号を今月初めに発令している。(2019年10月20日付けエスタード紙)