新天皇陛下が御即位に併せて訪日中のボルソナロ大統領は、24日に安倍晋三総理との会談が予定されている。また安倍 晋三総理は来月11月にブラジルを訪問するが、日本とメルコスールとの自由貿易協定が話し合われると予想されている。
ブラジルと日本の貿易は過去8年間で半減しており、また日本からのブラジルへの直接投資も半分以下まで減少して日本からの投資が冷え込んでいるために、ボルソナロ大統領は、ブラジルのポテンシャルの再認識や売込みに躍起となっている。
2011年~2018年の日伯貿易総額は174億ドルから51%減少の85億ドルまで減少、2011年の日本のブラジルへの直接投資は332億ドル、2015年は43%減少の189億ドルまで縮小していた。
日本はヨーロッパ連合と経済連携協定(EPA)、また米国と二国間貿易協定で合意、一方メルコスールはヨーロッパ連合、アイスランド並びにスイス、ノルウェー、リヒテンシュタインが加盟する欧州自由貿易連合(EFTA)と自由貿易協定(FTA)を締結している。
ヨーロッパ連合は2018年にメルコスール市場に総額239億ドルを輸出、この輸出総額は日本の輸出総額の5,5倍に相当、メルコスールとヨーロッパ連合とのFTA締結で、自動車並びに自動車パーツ、機械・装置、電気製品などの輸入関税低下で、日本の価格競争力の低下が見込まれている。
日本とメルコスールのFTA締結は農業部門での調整が大きな障害になっていたが、メルコスールとヨーロッパ連合とのFTA締結で調整がし易くなったとエドゥアルド・ パエス・サボイア駐日ブラジル大使は説明している。
連邦政府による年金・恩給改革、税制改革、行政改革など一連の構造改革進展に伴って、税制の簡素化、連邦公社の民営化、ブロクラシーの軽減などでインフラ部門や電力エネルギー、農業の生産性向上などで日本からの直接投資拡大をサボイア駐日ブラジル大使は示唆している。
ブラジルは2015年~2016年の経済リセッションで日本からの投資は減少した一方で、日本の投資家は東南アジアに注視していた。またボルソナロ大統領は労働者党(PT)政権時代に汚職の蔓延などで、ブラジルは海外投資家の信用を無くしていたが、ブラジルの清潔なイメージ更新を余儀なくされている。(2019年10月22日付けヴァロール紙)